2025-06-16 コメント: 1件 ▼
石垣市「君が代」教育に鋭く切り込む友寄市議 形式主義にNO、実態重視の姿勢に支持広がる
市教委の“歌えている”報告に異議 友寄氏「市民感覚とかけ離れている」
石垣市議会で6月16日に行われた一般質問において、市教委が公表した「君が代」斉唱に関する学校アンケートの内容に対し、与党市議の友寄永三氏が強く疑義を呈した。市教委は、市内小中学校24校中18校(約75%)が「児童生徒全員がしっかり歌えている、もしくは口ずさめる」と回答したと説明したが、友寄氏は「保護者や地域の実感とは明らかに乖離している」と厳しく指摘した。
市教委によると、2023年に実施された学校アンケートでは「全員がしっかり歌っている」との回答は2校、「全員が口ずさみ程度で歌える」は16校だった。一方、「誰も歌っていないように感じる」と答えた学校はゼロだった。
だが、この数字に対し、友寄氏は「現場を見ている保護者からは“子どもが歌えていない”という声が頻繁に寄せられている」と強調。形式的な報告に終始する市教委の姿勢に対し、「実態が伴っていない」との疑問を呈した。
「子どもの卒業式に出たけど、君が代を歌っているのはほんの一部。保護者の目はごまかせません」
「市教委が出す数字は自画自賛。友寄市議のように本音で現場に切り込む人が必要」
「子どもに直接聞け」 現場からの声を代弁
さらに友寄氏は、アンケートの対象が教職員であることにも問題があるとし、「評価される側が自らに甘くなるのは当然。教師ではなく、子ども自身に聞くべきだ」と主張。教職員の自己申告による評価は、信頼性に欠けるとして、児童生徒への直接的な調査の必要性を訴えた。
また、学校名の公表を市教委が拒否したことについても、「不透明な姿勢は市民の不信を招く。公金を使って運営されている以上、学校ごとの取り組みや結果は公開されるべきだ」と強調。「教育現場は“聖域”ではなく、説明責任を果たすべき公共機関だ」との認識を示した。
「子どもにアンケートを取るなんて当然の話。それを言える市議がいるのは心強い」
「学校名を出せないのは“できていない”のをごまかしてるからじゃないのか?」
教育の形骸化を見逃さない 友寄氏の一貫した姿勢
友寄氏の発言が注目されるのは、今回が初めてではない。これまでも国旗・国歌に関する教育の空洞化や、形式だけの指導への疑問を一貫して訴えてきた。表面的な報告書や統計の羅列ではなく、現場の声や保護者の実感に根差した議論を重視する姿勢は、議会内外で評価されている。
特に国歌「君が代」については、学習指導要領に明記されているにもかかわらず、教育現場では敬遠されがちで、学校や教員によって大きな温度差がある。こうした曖昧な状態を放置することは、「国家や郷土に対する理解と愛情」を育む教育の根幹を揺るがしかねない。
友寄氏は「子どもたちに国家を歌わせることを強制せよ、とは言っていない。だが、日本人としての基本的な礼儀と自覚は、学校で教えるべきことだ」と語る。
「“教えるな”じゃなく“ちゃんと教えろ”って話。当たり前のことを言ってるだけ」
国旗・国歌教育の立て直しへ 今こそ大人が真剣に向き合うべき
今回の議論を通じて、形式だけが先行し、中身が伴っていない教育の実態が浮き彫りになった。市教委は「学習指導要領にのっとり、指導を進める」と述べたが、肝心の“指導の質”については言及がなかった。
教育行政が信頼を回復するためには、見せかけの「達成率」ではなく、現実に即した指導内容と成果を示す必要がある。とりわけ国旗・国歌は、国家としての基盤をつくる要素であり、政治的配慮や“忖度”によって軽視されるべきではない。
友寄氏のように、政治リスクを恐れずに問題の本質に切り込む地方議員の存在こそ、地方教育行政にとっての健全なブレーキであり、指針でもある。石垣市がこの問題をどう受け止め、どのように改善を進めていくかが問われている。