2025-06-12 コメント投稿する ▼
福山哲郎氏「腰抜けと言われたが施政権を示した」 尖閣衝突事件の釈放判断に正当性を主張
「腰抜け」との批判に反論 福山氏が10年越しの弁明
立憲民主党の福山哲郎参院議員が12日、参院外交防衛委員会で、民主党政権時代に発生した尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件について発言し、注目を集めた。平成22年9月、沖縄県・尖閣諸島の日本領海内で中国漁船が海上保安庁の巡視船に衝突、船長が公務執行妨害で逮捕された一件で、福山氏は「腰抜けと言われたが、日本の施政権が尖閣に及んでいることを示した」と釈明した。
当時、福山氏は官房副長官として政権中枢におり、釈放を決めた菅直人政権の対応には「弱腰外交」との批判が集中。とりわけ保守層からは「中国の圧力に屈した」との評価が強かった。今回、福山氏はあらためて「刑事手続きに則って対応した」と語り、法的正当性を主張。自らの政治的判断について一定の理解を求めた格好だ。
中国の圧力と「起訴猶予」釈放の舞台裏
福山氏は当時の経緯を詳細に説明した。船長を出入国管理法ではなく、公務執行妨害容疑で逮捕し、那覇地検が勾留を延長したことを明かした。中国は「無条件釈放」を求め強く抗議し、レアアースの事実上の禁輸、日本人社員の拘束といった圧力手段に出た。
「日本の財界、自民党の古い政治家たちまでが『釈放しろ』という中国側の主張に乗った」と福山氏は語り、「刑事手続きに入ったことで日本の施政権が及ぶことを示した。それが中国には最も不快だった」と説明。起訴猶予で釈放するという政治的判断についても「検察の独立性を保ちつつ、日本の主権を貫いた」と強調した。
だが、現実には日本政府は「検察の判断」として政治責任の所在をあいまいにし、国内世論の怒りを買った。映像公開を拒み続けた対応や、中国船長の即時送還は「腰砕け外交」と揶揄されたのは記憶に新しい。
「刑事手続きの完了」が施政権の証明か?
福山氏は今回、「刑事手続きが完了したことで、日本が尖閣を実効支配している証左になった」と自らの判断を肯定した。しかし、この論理には違和感を抱く国民も少なくない。
なぜなら、刑事手続きを開始した後、中国の激しい圧力に屈する形で「起訴猶予」により事実上の釈放となったからだ。その上、政府はその判断を検察に押しつけ、「政治の責任」を明示しなかった。この対応を「施政権の行使」と胸を張って言えるかは、極めて疑問が残る。
結果として中国は日本の対応を「弱腰」とみなし、以後も尖閣諸島周辺への侵入を繰り返すようになった。現在も中国海警局の船が常態的に日本の領海周辺を航行しており、あの時の“釈放”が一種の転機となったとの見方もある。
「野蛮な対応」発言の矛盾と責任の所在
福山氏はまた、「中国の対応は国際社会から野蛮だと思われた」と振り返り、一定の外交的勝利であったと主張したが、実際には日本側の情報公開不足や対外発信の弱さも指摘されている。
特に問題視されたのが、現場映像の公開拒否とその後の映像流出事件である。政府は事件の全貌を国民に明らかにせず、「真相不明」のまま政治判断で処理を終えた。その結果、主権を守るべき日本政府の信頼性は大きく揺らいだ。
一方、岩屋毅外相は「領海内の司法手続きは当然、施政権の行使だ」と述べ、福山氏の発言を一定程度認めつつも、今後の対応については「しっかり検討していきたい」と含みを持たせた。
ネット上の反応
あれで日本の施政権を示せたって?詭弁も大概にしてくれ。
逮捕してもすぐ釈放じゃ、意味がない。実効支配どころか実効退却だったろ。
日本人が拘束されても毅然としなかったあの姿勢が忘れられない。
10年経っても責任を自分で取らないのが一番問題。
今も続く中国の侵入行為は、あの時の対応のツケ。