2025-04-28 コメント投稿する ▼
杉田水脈氏公認に札幌で抗議集会 自民党へ撤回要求広がる
自民党の杉田水脈氏公認に反発 札幌で抗議集会
自民党が次期参院選比例代表候補として杉田水脈(すぎたみお)元衆院議員を公認したことに対し、札幌市で28日、抗議集会が開かれた。アイヌ民族や在日コリアンなどへの差別に反対する市民グループが主催し、公認取り消しを求める声が相次いだ。
JR札幌駅前で抗議集会、約50人が参加
正午ごろ、JR札幌駅前には約50人が集まり、「スギタを公認した自民党に投票しません」と記されたボードを掲げて抗議の意思を示した。集会を主催した「平取アイヌ遺骨を考える会」共同代表の木村二三夫氏(76)は、「アイヌ民族に対する杉田氏の過去の発言は到底看過できない。差別を容認するような公認を行った自民党の責任も問われる」と訴えた。
参加者からは「ヘイト発言を繰り返した杉田氏を認めることは、日本社会が差別を是認することにつながる」との批判の声が相次ぎ、自民党に対して公認の撤回を強く求める内容の声明文も読み上げられた。
「アイヌ政策検討市民会議」も抗議文を送付
抗議の動きは広がりを見せている。市民団体「アイヌ政策検討市民会議」は、27日付で自民党本部に対して杉田氏の公認取り消しを求める抗議文を送付したと発表した。文書では、「過去に少数民族への尊厳を踏みにじる発言を行った人物を公認することは、党の姿勢が問われる重大問題である」と指摘し、早急な対応を要求している。
杉田氏過去発言への批判根強く
杉田水脈氏はこれまでも、アイヌ民族やLGBTQ、外国籍住民に対する発言でたびたび批判を受けてきた。たとえば、2016年には「アイヌ民族は先住民族ではない」とする趣旨の発言を行い、国連人権理事会の場でも問題視された。また、2018年には「LGBTの人たちは生産性がない」と月刊誌に寄稿し、大きな社会的批判を浴びた経緯がある。
これらの発言により、国内外の人権団体から非難を受けたほか、自民党内でも一時、党紀委員会による注意処分を受けた。にもかかわらず今回、参院選比例代表として公認されたことで、再び社会的な議論を呼び起こしている。
自民党内にも懸念の声
自民党内では、杉田氏の公認について懸念する声も上がっている。党関係者の一人は取材に対し、「保守層へのアピールという狙いがあるのかもしれないが、若年層や都市部有権者にはマイナスの影響が大きい」と語った。特に来年以降の各種地方選挙や国政選挙への影響を心配する声が広がりつつある。
また、党本部には市民から抗議や問い合わせが相次いでいるとされ、今後の選挙戦略に影響を及ぼす可能性もある。現時点で自民党本部から正式なコメントは発表されていない。