2025-04-20 コメント投稿する ▼
泉氏とは「同志」 国民民主が兵庫選挙区に元官僚・多田ひとみ氏を擁立
国民民主、兵庫に多田ひとみ氏を擁立 泉房穂氏とは「同志として戦う」
国民民主党は、今夏に行われる参議院選挙・兵庫選挙区(改選数3)に、元経済産業省職員で公認会計士の多田ひとみ氏(44)を公認候補として擁立すると発表した。4月20日に神戸市で開かれた記者会見で、多田氏は「対話を重んじる、優しい政治を取り戻したい」と語り、政界への挑戦に意欲を見せた。
官僚から監査法人、そして政治の道へ
多田氏は大阪府豊中市の出身で、同志社大学を卒業後、経済産業省に入省。2008年に退職し、公認会計士の資格を取得。以降は監査法人で企業の監査業務に従事してきた。今回の出馬について、「育った生活圏は尼崎など兵庫県が中心だった。私を育ててくれた地域に恩返しがしたい」と語る。
政治への関心は近年高まり、昨年2月から国民民主党が開く政治塾に参加。年末には同党の公募にも応じた。「政治に関わる決断は簡単ではなかったが、政治に無関心でいることの方が問題だと思った」と胸中を明かす。
泉房穂氏との“距離”と“絆”
国民民主党は当初、元明石市長の泉房穂氏を支援する方向で調整を進めていた。立憲民主党県連や連合兵庫と歩調を合わせ、無所属での泉氏擁立を後押しする構えだった。しかし、泉氏が出馬表明の場で「魅力的な政党がない」と語ったことが波紋を呼び、党本部がこの発言を問題視。「公党としての尊厳を損なう」として、支援を取り下げた経緯がある。
その中で擁立が決まったのが多田氏だ。だが、彼女は泉氏との関係を“敵対”ではなく“共闘”と位置づける。「兵庫は複数区。泉さんは無所属とはいえ、与党に対抗する同志だと思っています」と述べたうえで、「それぞれの立場から、志を同じくする人々と連携していきたい」と強調した。
玉木代表「政党は受け皿を示す義務がある」
記者会見に同席した国民民主党の玉木雄一郎代表は、今回の擁立について次のように説明した。
「泉さんは無所属です。私たちは公党として、どの選挙区でも候補者を立てて、国民に選択肢と受け皿を提示する責任があります」
また、党としては「多様な意見や立場を尊重すること」を掲げており、「多田さんのように実務経験を持つ人材が、地域に根ざした政策を訴えていくことに意義がある」と述べた。
多党対決の様相深まる兵庫選挙区
兵庫選挙区では、自民党現職の加田裕之氏(54)、公明党現職の高橋光男氏(48)、共産党から元県議の金田峰生氏(59)、参政党から藤原誠也氏(36)も立候補を予定しており、与野党入り乱れる構図となっている。
その中で、多田氏がどのように存在感を発揮するかが注目される。記者からの質問に対し、多田氏は「専門性と現場経験を生かし、兵庫の課題に真正面から向き合いたい」と語った。
- 国民民主党は兵庫選挙区に元経産省職員・多田ひとみ氏を擁立
- 政治塾から公募経て立候補、「育った地域に恩返しを」と出馬の理由を語る
- 泉房穂氏の「政党批判」発言で支援を取りやめ、多田氏擁立に転換
- 多田氏は泉氏を「同志」と位置づけ、共に与党に対抗する構え
- 玉木代表は「政党の責任として候補者擁立は当然」と主張
- 選挙区には自民・公明・共産・参政の各党候補も立候補予定