2025-04-16 コメント投稿する ▼
半導体復活へ「国運をかけた挑戦」 古賀議員、情報処理促進法で政府の本気度を問う
半導体支援の根幹を問う
古賀氏はまず、今回の法案の背景にある米国との関係性に言及。トランプ政権による関税強化の動きが世界に波紋を広げる中、日本政府の交渉の進展や展望について林官房長官に見解を求めた。
続けて、武藤経済産業大臣には、次世代半導体、特に2ナノ技術の国内生産に向けた意義と展望について質問。古賀氏は、自身のスマートフォンが海外製の半導体を使っていることを例に挙げ、「『ありがとう半導体』という感謝の言葉を日本製に向けて言えるようにしたい」と語った。
栄光と凋落を経た“日の丸半導体”
かつて世界市場の半分を占めていた日本の半導体産業は、今やシェア7%台。古賀氏はその要因として、日米貿易摩擦や水平分業の失敗、デジタル化の遅れ、国家的支援の欠如などを列挙し、「これまでの失敗をどう乗り越えるのか」と厳しく問いかけた。
特に、北海道に拠点を構える次世代半導体企業「ラピダス」への支援状況に触れ、開発の進捗や歩留まり向上の方策、失敗した場合の責任の所在についても明確な説明を求めた。
巨大投資の管理体制は?
「もし事業が頓挫したら、その責任は誰が取るのか」。古賀氏はこうした巨額投資に対し、政府の進捗管理体制の不備を指摘。「数兆円規模の税金を投入する以上、マイルストーンの設定や評価指標の明確化が不可欠だ」と述べ、経産大臣に進捗監視の仕組みと指標の具体例を示すよう求めた。
地域と人材への波及効果
一方で、古賀氏は半導体投資がもたらす地域経済への波及効果にも期待を寄せた。北海道ではすでにオフィスや住宅、商業施設の建設が進むなど、地元に活気が戻りつつある。こうしたプラス面に加え、熊本でのTSMC進出時に起きた交通渋滞や地下水枯渇の懸念を例に挙げ、環境対策の強化も求めた。
加えて、人材不足への懸念も示し、「今後10年で4万人の半導体技術者が不足するとされるなか、教育機関や企業との連携が急務だ」と訴えた。
「ヒューマノイドロボット」への夢
質問の終盤では、「国産2ナノ半導体で何を作るのか」という本質的な問いを投げかけた古賀氏。サービスロボットやAI技術と結びつく「ヒューマノイドロボット」産業の将来性に触れ、かつての夢の技術だった鉄腕アトムやアシモの復活を期待した。
「日本が得意としてきた製造業と、世界が進めるサービス業の融合がカギになる」として、経産省に対し、日本独自の「ワクワクする技術」を社会実装する覚悟を問うた。
国運をかけた覚悟を
「製造だけで終わらない。癒しや楽しさも含めた、新しい産業構造を目指すべきだ」と古賀氏。最後は、「社運ではなく“国運”をかけた挑戦として、この法案を実行に移すべきだ」と訴え、質疑を締めくくった。