2025-04-13 コメント投稿する ▼
道半ばでの退任に無念の声 矢田稚子・前首相補佐官が語る“官邸1年半”の舞台裏
官邸での仕事に手応えも
矢田氏は、政策の立案段階から関われる官邸での仕事にやりがいを感じていたという。「机上で考えるだけでなく、政策を現場に届ける過程まで見られる。スピード感と実効性のある仕事ができたのは大きかった」と語った。
しかし、春闘真っ只中のこの時期に退任することには、忸怩たる思いがあるようだ。「最低賃金の引き上げ議論もこれからというところで、私が関与できないのはやっぱり残念。もっと現場の声を届けたかった」と悔しさをにじませた。
電機連合出身、国民民主党から政権入り
矢田氏は、電機連合という労働組合の出身で、かつては国民民主党の参院議員として活動。2022年の参院選では惜しくも議席を失ったが、翌年9月に岸田政権の補佐官として政権入りした。石破茂政権でも留任され、与野党の垣根を越えた人材起用として注目を集めた。
ジェンダー格差是正や地方支援にも尽力
補佐官としては、男女の賃金格差解消を重要課題と位置付け、関連プロジェクトチームの座長を務めた。また、若者や女性に選ばれる地域づくりを目指し、地元企業へのアドバイスなどを行うサポートチームの立ち上げにも関わった。
なぜこのタイミングで退任?
退任について林芳正官房長官は、「担当したテーマに一定の区切りがついた」と説明。だが、春闘や最低賃金議論が本格化する直前の時期だったこともあり、関係者の間では「なぜ今なのか」との声も少なくない。
今後も社会に貢献したい
今後について矢田氏は、「官邸で得た経験を、何らかの形で社会に返していきたい」と語る。議員ではなくとも、働き方改革や地域政策の現場で、自分にできることを探していくつもりだという。
矢田氏の退任は、女性活躍や格差是正を重視する流れの中で、ひとつの区切りとなった。ただし、彼女の言葉どおり「道半ば」で終わった政策のバトンが、誰にどう引き継がれるのか。注目は続く。