奄美市、宿泊税導入へ　観光資源保護と整備の新たな一歩

鹿児島県奄美市は、奄美大島の世界自然遺産登録を受け、環境保護や観光インフラ整備のため、宿泊税を導入する方針を決めました。2025年3月21日、同市の検討委員会が安田壮平市長に対して、宿泊者1人あたり1泊200円を課税する内容を盛り込んだ報告書を提出。税収は年間で約7500万円を見込んでおり、早ければ2027年4月から制度が開始される予定です。

■ 宿泊税の目的と背景
奄美大島は、2021年に世界自然遺産に登録され、その美しい自然環境が注目を浴びています。しかし、観光客が増える一方で、自然環境の保全や観光施設の整備にかかる費用が課題となっていました。宿泊税の導入は、こうした問題を解決するための財源確保の手段として、奄美市が検討したものです。

■ 宿泊税の詳細
- 税額：宿泊者1人あたり、1泊200円
- 開始時期：2027年4月を予定
- 税収見込み：年間約7500万円
- 免税対象：災害避難など、特別な事情で宿泊する場合は免税

■ 市長のコメント
安田市長は「島の宝を守ることに繋がる」と語り、観光客や市民の理解を得るための努力を惜しまないと述べています。宿泊税を導入することで、奄美大島の自然環境保護と観光施設の整備に必要な資金が確保されることが期待されています。

■ 他の観光地における宿泊税の事例
日本国内では、観光地での宿泊税の導入が進んでいます。例えば、京都市では宿泊料金に応じて最大1,000円の宿泊税を徴収しており、得られた税収は観光資源の保護や観光施策に使われています。沖縄の那覇市でも同様に宿泊税が導入されており、観光地の持続可能な発展に役立っています。