2025-05-15 コメント投稿する ▼
岩屋外相の『実効支配』発言が波紋 自民・有村治子氏が強く批判、主権の揺らぎを懸念
自民党内で波紋広がる岩屋外相の「実効支配」発言
自民党の有村治子元女性活躍担当相は、5月15日の参院外交防衛委員会で、岩屋毅外相が尖閣諸島に関して「実効支配」という用語を使用したことに対し、強い懸念を示した。政府の公式見解では、尖閣諸島は日本固有の領土であり、領有権の問題は存在しないとされている。しかし、岩屋外相の発言はこの立場と矛盾し、主権の根幹を揺るがすものとして批判を浴びている。
「実効支配」発言の背景と問題点
岩屋外相は13日の委員会で、「石破茂首相も実効支配を強化していく必要があると答弁している」と述べ、尖閣諸島の管理強化について言及した。しかし、「実効支配」という用語は、国際法上、領有権が確立していない地域に対して使用されることが多く、日本政府の立場と矛盾する。
外務省の担当者も15日の委員会で、「政府として法的な意味で領有権が確立している地域を意味する言葉として『有効に支配している』という表現を使っている」と説明し、岩屋外相の発言との違いを明確にした。
有村氏の指摘と岩屋外相の対応
有村氏は、「実効支配」という用語が、領有権が確立していない、あるいは係争中の地域に対して使用されることが多いと指摘し、「主権がどちらにあるか根幹を揺るがす言葉だ」と強く批判した。また、「あたかも他国と交渉すべき領土問題があるかのような印象を与える言葉を使われることを憂慮している」と述べ、岩屋外相に対して言葉の選択に慎重になるよう求めた。
岩屋外相は、「尖閣諸島を巡って解決すべき領有権の問題はそもそも存在しない」と強調しつつ、「以後よく気を付けたい」と述べた。しかし、「実効支配」という表現を使用した理由について、直前に野党議員が「実効支配を進めてほしい」と述べたことを受けて答弁したと釈明した。
有村氏はこの釈明に対し、「はなはだ悔しい答弁だ」と述べ、他党の議員に責任を転嫁するような発言に不満を示した。
ネット上の反応
岩屋外相の発言に対して、SNS上では多くの批判的な意見が寄せられている。
「外相が『実効支配』なんて言葉を使うなんて信じられない。日本の立場を自ら弱めてどうするのか」
「尖閣諸島は日本の領土。『実効支配』なんて言葉は中国に利用されるだけだ」
「岩屋外相の発言は、国際社会に誤解を与える可能性がある。慎重な言葉選びが求められる」
「有村議員の指摘はもっとも。政府の立場を明確にしないと、国益を損なうことになる」
「外相が他党の発言を理由にするのは責任逃れ。自らの発言に責任を持つべきだ」
今後の対応と課題
岩屋外相の発言は、政府の公式見解と矛盾し、国内外に誤解を与える可能性がある。特に、尖閣諸島を巡る領有権問題は、日中関係において敏感な問題であり、慎重な対応が求められる。
政府としては、尖閣諸島が日本固有の領土であり、領有権の問題は存在しないという立場を明確にし、国際社会に対しても一貫したメッセージを発信する必要がある。また、政府関係者の発言が国益を損なうことのないよう、言葉の選択には十分な注意が求められる。
今後、政府がどのように対応し、国際社会に対してどのようなメッセージを発信していくのかが注目される。