兵庫県百条委員会、結論見通せず
兵庫県の斎藤元彦知事に対するパワハラ疑惑を巡り、県議会の調査特別委員会(百条委員会)は2月10日、非公開で初の協議会を開催した。しかし、各会派の見解が一致せず、報告書の取りまとめは難航が予想される。報告書の提出時期は3月中を見込んでいる。
副委員長の情報漏洩疑惑浮上
一方、百条委員会の副委員長である日本維新の会所属の岸口実県議が、告発文書を作成した元県民局長の私的情報を政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏に漏洩した疑惑が報じられた。
岸口氏は漏洩を否定しているが、立花氏は「岸口さんが嘘をついている」と反論しており、両者の主張は対立している。
各会派の見解の相違
告発文書には7項目の疑惑が記載されており、パワハラに関しては、斎藤知事が訪問先で職員を怒鳴った事例が挙げられている。
各会派の見解は以下の通り。
自民党:内部で評価が割れており、慎重な判断が必要とする。
維新:パワハラの認定は困難で、司法の判断によるべきだと主張。
公明党:パワハラと認定できる事象はないとしつつ、斎藤知事の言動は不適切な叱責と指摘。
ひょうご県民連合:パワハラと認定できるとし、理不尽な叱責があったことは明白と主張。
告発者への対応を巡る議論
報告書のもう一つの焦点は、告発者に対する県の初動対応の是非である。斎藤知事は告発文書を入手後、側近幹部に告発者捜しを指示し、元県民局長を特定し、停職3カ月の懲戒処分とした。
公益通報者保護法の運用指針は通報者捜しを禁じており、専門家は県の対応を問題視している。
各会派の意見は以下の通り。
自民党・県民連合:県の対応を公益通報者保護法違反と考える。
維新・公明党:違法性の認定には慎重な姿勢を示しつつ、県の調査方法は不適切と指摘。
結論の行方
奥谷謙一委員長は、各会派で見解が食い違う部分は統合案を提示し、全員が納得のいく内容を目指すと述べた。
しかし、議会各会派の意見の隔たりは大きく、報告書の取りまとめが難航する可能性が高い。