2025-06-24 コメント投稿する ▼
北陸新幹線「小浜ルートは唯一無二」 福井県知事が米原案に反論、決定の経緯を強調
北陸新幹線「小浜ルートは唯一無二」 福井県知事が米原案に反論、決定の正当性を強調
福井県の杉本達治知事は6月24日の県議会本会議で、北陸新幹線の大阪延伸における「小浜・京都ルート」の正当性を強調し、「唯一無二のルートだ」と発言した。これは、石川県選出の自民党国会議員らによる自主研究会が米原(滋賀県)ルートの方が短工期・低コストで優れているとする独自試算を発表したことに対する明確な反論である。
杉本知事は「与党プロジェクトチームが平成28年12月に決定した小浜ルートには、関係自治体への丁寧なヒアリングや利便性の比較を含め、しっかりとした経緯がある」と述べ、単なる政治的配慮ではないと訴えた。
「いまさら米原?それならなぜあの時反対しなかったのか」
「ルート決定までに何年も議論して、ようやく動き出したのに」
米原案は「15年で完成可能」? 現実味に欠ける独自試算
17日に発表された自主研究会の試算では、米原経由ルートなら工期は15年で済むとし、小浜ルートの国交省試算(20年以上)に比べて事業効率が良いと主張された。財政負担の軽減や、既存インフラの有効活用という観点から一定の説得力があるように見える。
しかし、杉本知事はこの点について「長年かけて交通政策審議会や与党PTで議論された結果を軽視するものだ」と一蹴。実際、米原ルートは既存の東海道新幹線との接続によってシステム統合や運行調整の難易度が高く、国の方針としては早期から選択肢から外されてきた経緯がある。
「15年で完成とか言うけど、地元の合意形成もゼロからだよね」
「乗換えありきの米原案は、北陸の利便性を損なうだけ」
小浜ルートは「関西との直結」 地域の未来を支える軸
杉本知事は、小浜・京都ルートの意義として「北陸と関西をダイレクトにつなぐ新幹線ネットワークの要である」と訴える。単なる所要時間や建設費だけでなく、地域経済への波及効果、関西圏との一体的発展を含めた「未来への布石」だという立場だ。
とくに福井県にとっては、小浜ルートによる南北アクセスの強化が観光・産業振興の生命線でもある。京都や新大阪に乗り換えなしで到達できるルートは、地方創生や人口流出対策としてのインフラ整備の側面を担う。
「直通じゃなきゃ意味がない。小浜ルートしか現実的じゃない」
「関西と北陸が一本で結ばれるのは、国土軸としても重要だよ」
混迷を避けよ 国の決定を揺るがす「再議論」に警戒感も
今回の米原案再浮上は、北陸新幹線の延伸に向けて動き出している地元自治体にとって、大きな混乱の火種にもなりかねない。計画変更による手戻り、予算の再編成、地元合意の再構築など、実現性を著しく損なう可能性があるからだ。
杉本知事は、「地方の発展を阻むのではなく、支える国の政策決定であってほしい」として、再議論にブレーキをかけるよう求めた。公共事業をめぐる政治的思惑や短期的視点の試算だけで方針を左右することへの警戒がにじむ。
今後、政府・与党の動きがどこに向かうかは不透明だが、すでに決定した国家プロジェクトの根幹を覆すような試算に踊らされる余裕は、現場にはない。