2025年3月31日、参議院予算委員会において令和7年度総予算3案に関する討論が行われ、立憲民主党の奥村政佳議員が反対の立場から討論を行った。質疑が終了後、採決が行われ、予算案は賛成多数で可決された。
奥村議員の討論内容
- 予算案に反対する立場:
奥村議員は、政府提出の令和7年度予算案に対して反対の立場を表明。理由として、国民生活に寄り添った予算になっていないことを指摘した。
- 高額療養費制度の凍結を評価:
予算案に盛り込まれた高額療養費の自己負担上限額引き上げ凍結については評価し、特にがん患者や難病患者の声が反映された点を評価した。しかし、この政策が遅れたことに対し、総理に対して猛省を求めた。
- 物価高対策の不十分さを指摘:
石破総理が物価高対策を予算成立後に打ち出す考えを示したことに対し、予算案自体に物価高対策が不十分であることを指摘。また、総理の発言が不適切であったことに言及し、国会や委員会への軽視だと批判した。
- 今後の施策に対する不安:
ガソリンの暫定税率廃止や医療・介護分野の処遇改善、教育や保育の人手不足など、多くの課題が解決されていないことを強調。これらの問題について政府が真剣に取り組んでいるとは感じられないとした。
- 未来への負担:
社会構造の問題として、保育現場における不安定な労働環境を挙げ、子どもたちがどのように育つのかを危惧。また、赤字国債の増加と社会構造の放置が、将来的に「大きな未来への借金」につながると警鐘を鳴らした。
政府提出予算の不十分さ
- 高額療養費制度に関する問題:
高額療養費制度に関しては、制度自体の抜本的な見直しが求められているが、予算案では十分な対応がされていないとのこと。
- 物価高対策が遅れる:
石破総理は、物価高対策を今後打ち出す考えを示したが、予算案における物価高対策が不十分であることを受け、政府の対応が後手に回っていることを批判。
立憲民主党の提案
- 無駄な基金の見直し:
増税に頼らず、無駄な基金の見直しを進め、エッセンシャルワーカーの処遇改善を実現することが重要だと強調。立憲民主党は、現在の予算案に対して責任ある修正案を提案している。
- 将来に向けた政策改革の必要性:
少子化対策や年金問題に関する議論を進めるべきとし、特に2030年代までに少子化の反転を目指す政策が急務であることを訴えた。
予算案の採決と議論の展開
- 予算案の採決:
討論を経て、令和7年度の予算案は賛成多数で可決された。与党の提出した再修正案が一定の評価を受けたものの、予算案全体に対する反対意見も根強く、今後の施策の具体化が注目される。
- 今後の課題:
奥村議員は、政府の予算案に対して懸念を示し、今後の政治と社会構造の改革を強調。特に、未来への負担を減らすための責任ある予算編成が必要だと訴えた。
今回の予算委員会では、奥村政佳議員が政府の予算案に対する強い反対の意を示した。特に、国民生活に直接関わる高額療養費制度や物価高対策、保育・医療・介護などの分野での施策が不十分であることが指摘され、将来に対する不安が表明された。立憲民主党としては、今後も無駄な基金の見直しやエッセンシャルワーカーの処遇改善を訴え、責任ある予算案の提出を目指している。