元参院議員の広瀬めぐみ氏(58)が、公設秘書の給与など約360万円を不正に受け取っていた詐欺事件で、3月に東京地裁が言い渡した有罪判決(懲役2年6カ月・執行猶予5年)が確定した。被告・検察の双方が控訴期限である4月10日までに控訴せず、判決はそのまま確定。広瀬氏はこれにより、弁護士資格も自動的に失うことになった。
虚偽の採用届け出で360万円を詐取
裁判で明らかになったのは、2022年12月、広瀬氏が公設第1秘書の妻を第2秘書として採用したと虚偽の届け出を行い、勤務実態のないまま2023年末までの1年間、国から給与と退職金あわせて約360万円を不正に受け取っていたというものだ。
2月の公判で広瀬氏は、「政治活動に想像以上のお金がかかり、自分の貯金を切り崩すしかなかった」「選挙にぽっと出た新人で支援者もおらず、パーティー券収入も望めなかった」と、苦しい胸の内を明かした。
しかし検察側は、詐取した金が長女への小遣いや飲食など、政治活動とは関係のない用途に使われていたと指摘。「公金を私的に流用する行為は極めて悪質」と厳しく批判していた。
議員辞職、そして弁護士資格喪失へ
広瀬氏をめぐる疑惑は2024年3月、週刊新潮の報道で表面化。当初は「事実無根」と全面否定していたが、7月に東京地検特捜部の家宅捜索を受け、自民党を離党。その翌月には参院議員を辞職した。
そして今回、有罪判決の確定により、弁護士としての資格も自動的に失われることとなった。司法試験合格から25年、弁護士としても一定のキャリアを築いてきた広瀬氏にとって、その重みは計り知れない。
懲戒請求も2件 ただし1件は棄却
なお、広瀬氏に対しては東京弁護士会に2件の懲戒請求が出されていたが、うち1件は過去の不倫をめぐる内容で、2024年9月に棄却済み。今回の詐欺事件に関するもう1件は審議中だったが、判決確定により、弁護士としての登録そのものが取り消された。
政治家人生はわずか2年で幕
2022年に自民党から参院選に初当選した広瀬氏だが、わずか2年足らずで政治家人生に終止符を打つ形となった。弁護士としての復帰も不可能な今、再起の道筋は極めて厳しい。
- 虚偽の秘書採用で360万円を詐取し、有罪確定
- 裁判では「政治活動が苦しかった」と釈明も、私的流用が判明
- 報道→捜査→議員辞職→弁護士資格喪失と転落続く
- 懲戒請求2件中、1件は棄却、もう1件は審議前に登録取消
- 初当選からわずか2年で政界を去る