2025-09-21 コメント投稿する ▼
白川容子が黒潮町長と懇談 地域福祉の先進モデルと人材不足の課題
町長は「町の隅々までふれあいセンターのネットワークで網羅している」と説明しました。 ふれあいセンターの活動は、高齢者の孤立防止や地域コミュニティの維持にも寄与しています。 白川氏は「他の自治体にも展開できれば望ましい」と応じ、地域発の取り組みを国の政策とどう接続するかが課題だと指摘しました。
黒潮町の福祉施策と白川容子氏の視察
日本共産党の白川容子=参議院議員は2025年9月21日、高知県黒潮町役場を訪問し、大西勝也町長と懇談しました。黒潮町が進めている独自の福祉施策を聞き取るとともに、現場で直面する課題について率直な意見交換を行いました。春名直章県委員長や町議らも同席し、町政と国政をつなぐ議論となりました。
黒潮町では、廃校や旧保育所、地域の集会所を活用した「あったかふれあいセンター」が町内6カ所に整備されています。ここではデイサービスに近い機能を持ち、介護予防や健康相談、認知症カフェ、子ども食堂など多様な活動を展開しています。利用者数は年間延べ約1万8000人に達し、町人口約9700人の2倍に相当します。町長は「町の隅々までふれあいセンターのネットワークで網羅している」と説明しました。
地域に根差した福祉ネットワーク
ふれあいセンターの活動は、高齢者の孤立防止や地域コミュニティの維持にも寄与しています。移動支援は年間8000件に及び、町のローカルバス利用を上回る規模です。こうした取り組みは、買い物や医療機関へのアクセスに困難を抱える高齢者の生活を支える重要な役割を果たしています。参加者からは「先進的な取り組みだ」との感嘆の声が上がり、他自治体にも広がることへの期待が寄せられました。
白川氏は「他の自治体にも展開できれば望ましい」と応じ、地域発の取り組みを国の政策とどう接続するかが課題だと指摘しました。小規模自治体の工夫が、全国的な福祉政策の改善に資する可能性があります。
直面する課題と人材不足
一方で、現場は深刻な課題に直面しています。ヘルパーやケアマネジャー、保健師などの人材確保が困難であり、担い手不足が続いています。大西町長は「小さな自治体単独の努力では限界がある」と述べ、人材対策は自治体の枠を超えた課題であることを強調しました。特に人口減少が進む地域では、サービスを維持する基盤自体が揺らいでいます。
国レベルでの人材確保策が不可欠であり、処遇改善を伴う制度設計が求められます。白川氏も「国が資金を投入し、ケア労働者の処遇改善を進めなければならない」と強調しました。福祉の担い手がいなければ、先進的な施策も維持できない現実が浮き彫りとなっています。
住民生活に根差す福祉の展望
黒潮町の取り組みは、人口規模が小さくても地域資源を活かし、多世代を巻き込んだネットワークを構築できることを示しています。地域の力を最大化する工夫は、全国の地方自治体が参考にできるモデルです。しかし、持続性を確保するには国の制度的な後押しが不可欠です。処遇改善や人材育成、財政支援がそろって初めて、地域福祉が安定的に展開できます。
「地域の廃校や集会所を活かす取り組みは素晴らしい」
「ふれあいセンターが町の安心を支えている」
「移動支援がなければ日常生活に困る人が多い」
「人材不足で今後が心配だ」
「国が責任を持って処遇改善に動いてほしい」
高齢化と人口減少が進む日本社会において、黒潮町の試みは重要なヒントを与えています。今後は、こうした地域の創意工夫を制度的に支える国の責任が問われます。福祉の担い手不足を克服できるかどうかが、持続可能な地域社会の分かれ目となります。