2025-04-16 コメント投稿する ▼
高齢者の肺炎予防に「結合型ワクチン」を 迎教授が公明党に提言、接種制度の見直し訴え
高齢者の肺炎予防に「結合型ワクチン」活用を 迎教授が公明党に提言
高齢者の命を脅かす肺炎に対し、予防の視点から効果的な対策を講じるべきだ――。公明党の医療制度委員会(委員長・秋野公造参院議員)は4月16日、衆議院第1議員会館で会合を開き、肺炎球菌ワクチンについて長崎大学大学院の迎寛教授から講演を受けた。
迎教授はまず、「肺炎は一度かかると治った後も元の生活には戻れないことが多い。治療よりも、まず『かからない』ことが大切です」と強調。特に高齢者にとって肺炎は重症化しやすく、回復後の生活の質(QOL)にも大きく影響することを示した。
また、統計データをもとに「80歳以上の肺炎の発症率は、65~79歳の約3.2倍。死亡率も年齢が上がるほど急激に増加していく」と述べ、重症化リスクの高さを改めて強調した。
講演の中で注目を集めたのが、「結合型ワクチン」の有効性についての説明だ。迎教授によれば、結合型ワクチンは従来の多糖体ワクチンに比べて免疫効果が長く続き、体の防御反応をより強く引き出すことができるという。欧米の多くの国ではすでに高齢者に対する標準的なワクチンとして導入されており、日本でも導入を進めるべきだと訴えた。
「日本では65歳以上の高齢者を対象に定期接種が行われていますが、これまで主に多糖体型のワクチンが使われてきました。今後は、より免疫効果が高く、持続期間も長い結合型を追加することが重要です」と迎教授は提案した。
これに対し、出席した議員らからは「結合型ワクチンの効果はどれくらい持続するのか」「費用負担や接種率の確保に向けてどうすべきか」といった実務面の質問が相次いだ。会場では活発な議論が交わされ、予防医療のあり方について考える契機となった。
公明党としても、今後の高齢化社会を見据え、ワクチン政策の見直しを含めた制度改革に前向きに取り組む姿勢を示している。
- 肺炎は高齢者の健康に大きな打撃を与える病気で、予防が何より重要
- 80歳以上の発症率は65~79歳の約3.2倍、死亡リスクも顕著に高まる
- 欧米では結合型ワクチンが標準化、日本でも導入の必要性が指摘された
- 接種対象年齢の拡大や制度の見直しを求める声が議員から上がった
- 公明党も政策提言に向け、専門家との連携を強化する考え