公明党の竹谷とし子代表代行は、2025年4月14日の参院決算委員会において、国の政策目的で設けられた基金の長期保有が財政コストを押し上げていると指摘し、利払い費の削減に向けた対策を政府に求めた。
基金残高18兆円超、利払い負担増大
竹谷氏は、2023年度末時点で国の基金残高が約18兆8000億円に達しており、その一部が長期間にわたり未使用のまま保有されている可能性を指摘した。基金は複数年度にわたって柔軟に資金を活用できる利点があるが、同時に利付国債の利払い負担が増加するリスクも伴う。
具体的には、2023年度末時点での利付国債の加重平均金利が0.77%であることから、仮に1兆円の国債が発行されていれば、年間約77億円の利払いが発生する計算となる。金利が上昇すれば、その負担はさらに増大する。
国債発行のタイミング調整でコスト削減を提案
竹谷氏は、基金の資金が実際に使用される時期に合わせて国債の発行を遅らせることで、利払い費の削減につながると提案した。これにより、国債の利払い期間を短縮し、財政負担を軽減することが可能となる。
財務省、基金残高の適正管理に取り組む姿勢
加藤勝信財務相は、基金の残高が必要以上に積み上がらないようにすることが重要であると述べ、予算編成過程での事業の精査や基金の見直しに取り組む考えを示した。財務省は、基金の適正な管理と効率的な運用を通じて、財政の健全性を確保する方針である。
基金の透明性と効率性の向上が課題
国の基金は、政策目的に応じて柔軟に資金を活用できる利点がある一方で、長期間にわたる未使用や利払い負担の増加といった課題も抱えている。今後は、基金の透明性と効率性を高めるための制度改革や運用の見直しが求められる。
- 2023年度末時点で国の基金残高は約18兆8000億円に達している。
- 長期保有による利付国債の利払い負担が増加している。
- 国債発行のタイミングを調整することで、利払い費の削減が可能となる。
- 財務省は、基金残高の適正管理と予算編成過程での事業の精査に取り組む方針である。
- 基金の透明性と効率性を高めるための制度改革が今後の課題となる。