2026-01-03 コメント投稿する ▼
トヨタEV工場延期に福岡県知事「期待感を持って待ちたい」日産に続き2度目の延期、EV普及率2パーセントが背景
福岡県の服部誠太郎知事氏が朝日新聞のインタビューに応じ、2025年を振り返り今後の抱負について語りました。トヨタ自動車が苅田町で計画するEV向けリチウムイオン電池工場の建設延期について、「期待感を持って、1年間待ちたい」と述べました。
2度目の延期で地域経済に打撃
トヨタ自動車は2025年11月、福岡県苅田町で計画していた電気自動車向け電池工場の建設を再度延期すると発表しました。2025年3月にも一度延期しており、今回が2度目の延期となります。
服部知事氏によると、2025年11月6日にトヨタの佐藤恒治社長氏と面会し、「今後1年程度をかけて、幅広に新たな事業計画を策定していきたい」との説明を受けました。服部知事氏は「今回の判断はやむを得ない」と理解を示し、「地域の産業振興に役立つ事業計画を立てたいとの話があった。期待感を持って、1年間待ちたい」と語りました。
新工場は県が造成した「苅田港新松山臨海工業団地」の約28万平方メートルに建設される計画でした。トヨタは2025年2月に用地を約60億円で取得し、当初は2028年の生産開始を予定していました。しかし、EV需要の世界的な低迷を受けて計画の見直しを迫られています。
「トヨタまで延期って、福岡県のEV計画は完全に崩壊じゃん」
「日産に続いてトヨタも、福岡県は何やってんの」
「知事は期待感とか言ってるけど、もう来ないんじゃない?」
「地域経済への打撃は計り知れない」
「EV普及が2パーセントじゃ工場建てても意味ないよね」
トヨタの新工場では、従来のバッテリーよりも航続距離を高めコストを低減した次世代電池を生産する計画でした。工場の建設計画自体は維持するとしていますが、生産開始の時期や生産品目を変更する可能性があります。
日産に続く相次ぐ計画断念
福岡県内の自動車産業をめぐっては、2025年5月に日産自動車が北九州市若松区で予定していたEVバッテリー工場の建設を断念しています。総額1533億円の投資を見込んだ計画が頓挫しました。
服部知事氏は日産の決断について「断腸の思いの決断だと言われた。EVの状況プラス、日産の経営の総合的な判断だったと思う」と振り返りました。日産のエスピノーサ社長氏から直接説明を受けたといいます。
日産とトヨタの相次ぐ計画延期・断念は、福岡県が進めてきたEV産業振興策に大きな打撃を与えています。福岡県は自動車産業の集積地として、EV関連産業の誘致に力を入れてきました。しかし、EV需要の低迷により、その戦略は見直しを迫られています。
EV普及率わずか2パーセント
トヨタが計画延期を決断した背景には、日本国内でのEV普及の遅れがあります。服部知事氏は「EVの普及状況が日本がまだ2パーセント弱。車載用バッテリーの在庫が、需要に対して3倍くらいとの報道もある」と指摘しました。
日本国内では2025年末時点でEV普及率が2パーセント未満にとどまっています。欧州や中国では10パーセント以上に達している国もあり、日本は大きく出遅れています。
EV需要の低迷は世界的な傾向です。トランプ米政権がEV普及策の転換を打ち出したことも、市場の不透明感を高めています。一方で、ハイブリッド車の需要は増加しており、自動車メーカー各社はEV戦略の見直しを進めています。
3年以内の着工義務に暗雲
トヨタの新工場用地契約では、3年以内の着工が義務づけられています。服部知事氏は「トヨタもそこは承知の上でスピード感を持って計画を策定していくと思う」とし、「完全撤退ということはないと考えている」と強調しました。
しかし、トヨタが本当に1年以内に新たな事業計画を策定し、着工にこぎつけられるかは不透明です。EV需要の回復が見込めない中、トヨタが福岡での電池工場建設を続ける理由は薄れています。
立地自治体となる苅田町の遠田孝一町長氏は「地域の皆様からも大きな期待が寄せられている。新たな情報が明らかになり次第、速やかに対応できるよう準備を進めてまいります」とコメントを出しました。
地域経済への影響は深刻
トヨタの工場建設延期は、地元経済に深刻な影響を与えています。工場が稼働すれば、雇用創出や関連産業の集積が見込まれていました。しかし、計画の延期により、これらの期待は宙に浮いた状態です。
福岡県は自動車産業を基幹産業と位置づけ、EV関連産業の誘致に力を入れてきました。しかし、日産とトヨタの相次ぐ計画延期・断念により、その戦略は大きな転換を迫られています。
服部知事氏は「こういう生産設備は地域経済の安定、雇用の創出につながるので、しっかりと相談していきたい」と述べましたが、具体的な対応策は示されていません。トヨタが1年後に新たな事業計画を提示するまで、福岡県は待つしかない状況です。
福岡県の産業戦略見直しが必要
トヨタの計画延期は、福岡県の産業戦略そのものを問い直す契機となっています。EV一辺倒の戦略では、需要の変動に対応できないことが明らかになりました。
福岡県はトヨタに対して、電池工場以外の選択肢も含めた事業計画を求めています。トヨタ側も「地域経済に貢献する新たな事業計画を策定する」としていますが、具体的な内容は不明です。
服部知事氏は2025年3月の知事選で再選を果たし、2期目をスタートさせました。しかし、相次ぐ企業の計画延期・断念は、知事の産業政策への批判を招く可能性があります。
服部知事氏は「期待感を持って、1年間待ちたい」と述べましたが、1年後にトヨタがどのような事業計画を示すかは予断を許しません。福岡県にとって、2026年は産業戦略の正念場となります。