2025-08-13 コメント投稿する ▼
菅義偉副総裁、秋政局へ二正面戦略 維新連立と小泉支援を視野
菅義偉副総裁、秋の政局にらみ二つのシナリオ
自民党の菅義偉副総裁(76)が、秋に予定される臨時国会と総裁選の動向を見据え、二つの戦略を視野に入れている。石破政権が少数与党のまま存続すれば、日本維新の会を連立に引き込む「パイプ役」として動く可能性が高い。一方で、総裁選が前倒しとなれば、小泉進次郎農林水産相の支援に回るとみられており、政局の行方によって立ち位置を柔軟に変える構えだ。
「党を立て直さなければいけない」
「今は世の中の雰囲気を見極めるべきだ」
「維新との連立は最高のチャンス」
「小泉さんは現職閣僚だから今は動かない方がいい」
「石破首相では選挙に勝てないという声もある」
石破政権継続の場合―維新との連立構想
参院選の惨敗で与野党の力関係は逆転し、石破政権は衆参で少数与党に陥った。予算案や重要法案を通すためには、野党の協力を得る多数派形成が不可欠だ。維新内部では「大阪組」を中心に、持論の「副首都構想」を条件に連立入りを求める声があり、菅氏はこれを政権安定化の好機とみている。
菅氏は維新創設メンバーの松井一郎前大阪府知事と親交が深く、自民党内でも「2人が水面下でどこまで話を詰められるか」が焦点とされる。8月1日夜には森山裕幹事長が維新の遠藤敬氏と会食。この直前に菅氏と森山氏が30分面会しており、国会対策の助言が行われた可能性が高い。
総裁選前倒しの場合―小泉氏支援へ
一方、自民党が総裁選の前倒しを決めれば、石破首相の出馬は困難とみられる。その場合、菅氏は昨年9月の総裁選に続き、小泉氏を推す見通しだ。前回総裁選では、小泉氏は党員票で伸び悩み3位に終わったが、国会議員票では菅氏の支援により首位を獲得している。
ただ、副総裁としての立場上、菅氏は現時点で表立った動きを避けている。小泉氏にも「今は動くべきではない」と自制を促し、党内外の情勢を慎重に見極めている段階だ。総裁選の前倒しの是非は47都道府県連に意見を求めることになっており、小泉氏が会長、菅氏も所属する神奈川県連の判断が注目される。
派閥政治への距離感と世論の読み
菅氏の姿勢の根底には、派閥中心の権力闘争への否定的な考えがある。党内では旧安倍派などから石破首相への退陣圧力が高まる一方、世論調査では続投容認の声も少なくない。この「党内」と「世論」の乖離をどう埋めるかが、菅氏の政治判断の軸となっている。
石破政権の延命か、小泉新体制の実現か。秋の政局に向け、菅氏は連立工作と総裁選支援という二つのカードを握りながら、静かに情勢を見つめている。