2025-04-12 コメント: 1件 ▼
うるま市長選前に「無料闘牛イベント」開催 選挙活動色濃く、公選法違反の疑いも
無料で闘牛観戦、市長選直前のイベントに「寄付行為」疑惑 うるま市で物議
沖縄県うるま市で4月12日に開かれたイベント「ゴリラーまつり」が、思わぬ波紋を呼んでいる。イベントは「市制20周年」を記念する形で企画され、家族連れを中心に約300人が参加。人気の闘牛やヒーローショー、伝統芸能のエイサーなどが無料で楽しめる内容だったが、その裏で市長選をにらんだ選挙活動が行われていたとして、公職選挙法に抵触する可能性が指摘されている。
選挙の色濃い「まつり」
イベントでは、大型スクリーンで中村正人市長(自民・公明推薦)の政策やこれまでの実績をPRする映像が繰り返し流された。さらに終盤には本人も登場し、来場者に直接アピール。次期参院選での出馬が取り沙汰されている奥間亮氏(自民党)を「うるま市の皆さんに知ってもらえたらありがたい」と紹介。奥間氏も「市長の応援に駆けつけた」と述べ、実質的に市長選・参院選の“決起集会”の様相を呈していた。
また、自民党の島尻安伊子衆院議員もマイクを握り、「皆さんの力添えで中村市長にもう4年、仕事をしてもらいたい」と挨拶。市長の名刺も会場で配布されるなど、明らかに選挙を意識した演出が随所に見られた。
「寄付行為」にあたる可能性
問題視されているのは、イベントの“無料”提供の部分だ。特に注目されたのは闘牛の観戦。通常、同じ会場では大人1人1800円、貸し切りだと1人2800円の料金が設定されているにもかかわらず、今回は無料で公開された。
公職選挙法では、有償のサービスを候補者やその後援団体が無償提供することを「寄付行為」として禁じている。仮に市長の後援団体や支援組織がこのイベントを主催、もしくは費用を負担していたとすれば、法に抵触する可能性がある。
市長側は沈黙
この件について、主催した「まつり実行委員会」と中村市長の関係や、イベント費用の出所について取材を申し入れたが、市長側からの回答は得られていない。SNSでもイベントの告知には選挙に関する記述は一切なかったが、実際の内容と齟齬があったことは否めない。
今後の焦点
市長選の告示が間近に迫るなか、有権者の間では「これは単なるお祭りだったのか、それとも選挙目当ての政治イベントだったのか」と疑問の声が上がっている。選挙の公正性が問われる事態だけに、主催者や市長側の説明責任が問われそうだ。行政や選挙管理委員会がどのように対応するのかも注目される。