2025-11-03 コメント投稿する ▼
田村智子が警告 高市早苗政権と憲法改正問題 公布79年に国会前で2300人集結
憲法9条の79年の歴史を世界に広げよう」と語り、女医らによる平和団体の代表も「平和はあきらめない人の手によってつくられる」と訴えました。 この文脈では、現政権が進めようとする「異次元の軍拡」や「9条改憲」が、憲法の精神と矛盾するという市民側の主張が鮮明になっています。
公布79年の憲法記念行動、国会前に2300人集結
3日、日本国憲法(以下、憲法)が公布から79年を迎え、東京・国会正門前では市民団体による集会が開かれ、約2,300人(主催者発表)が参加しました。主催したのは、総がかり行動実行委員会と9条改憲NO!全国市民アクションで、「守れ!生かせ!憲法」「させるな大軍拡」と書かれたボードを掲げ、改憲・軍拡に反対するコールが繰り返されました。
市民・有識者が「軍拡阻止、憲法遵守」を訴え
開会の挨拶で、戦争をさせない1000人委員会の染裕之氏は、現在の政権が「異次元の軍拡」に突き進んでいるとして、平和と民主主義の原点である憲法を改めて見直すべきだと強調しました。市民スピーチでは、国際ジャーナリストの伊藤千尋氏が「世界は混乱に陥っているが、私たちは分かっている。憲法9条の79年の歴史を世界に広げよう」と語り、女医らによる平和団体の代表も「平和はあきらめない人の手によってつくられる」と訴えました。
政党代表らも登壇、「高市政権の危険性」指摘
政党登壇者として、日本共産党の委員長である田村智子氏、立憲民主党の衆議院議員阿部知子氏、社会民主党副党首ラサール石井氏があいさつしました。田村氏は、高市早苗政権(自民・維新連立)を「危険な政権」と位置付け、その足元はもろく弱いと述べ、基地強化が進む地方での市民との懇談を紹介しながら、「今の大軍拡、9条改憲の動きは『戦争だけはだめだ。平和で安心して暮らせる街であってほしい』という国民の願いすら破壊するものだ。国民とは相いれない」と呼び掛けました。さらに、「危険な高市政権を短命に終わらせ、憲法輝く新しい政治をともにつくろう」と訴えました。
参加者の声、「改憲に黙れば賛成したことになる」
当日参加した東京都八王子市在住、56歳のAさんは「高市政権になり、何か言わないと賛成したことになってしまうと思い、ここに来ました。改憲の動きを知っている人が職場に少ない。憲法は守るべきものだと言いたい」と語りました。
「このまま何もしなければ、改憲に賛成したことになる気がして…」
「職場で憲法の話をする人がほとんどいないのが怖い」
「戦争ができる国になったら、私たちの日常が壊れると思う」
「9条を守っていれば安心、と思っていたけど最近不安が増えた」
「この声が届くなら、もっと多くの人が出て来てほしい」
改憲・軍拡への警戒と憲法論議の過熱
憲法第9条を巡る議論は、長きにわたり日本の政治・社会の核心課題です。憲法9条は「戦争を放棄し、交戦権を認めない」と定め、また「陸海空その他の戦力を保持しない」としています。こうした規定は、戦後日本の平和主義の象徴でもあります。
一方で、国内外の安全環境が変化するなか、改憲を目指す動きも再び鮮明になっています。例えば、政権側では憲法9条を「自衛隊」「国防軍」明記へと改める構想が有力視されており、憲法改正を掲げる動きの「受け皿」が整いつつあります。
今回の集会も、こうした流れに対して市民・草の根運動が警鐘を鳴らす場となりました。
論点:憲法をどう「生かすか」
今回の集会では「守れ!生かせ!憲法」というスローガンが掲げられました。憲法そのものを守るだけではなく、現実の政策・社会の在り方に生かすことが主体です。つまり、平和主義・民主主義・基本的人権といった憲法の理念を、軍拡・基地強化・戦争準備といった流れと照らして、問い直すということです。
この文脈では、現政権が進めようとする「異次元の軍拡」や「9条改憲」が、憲法の精神と矛盾するという市民側の主張が鮮明になっています。憲法改正そのものが目的化すれば、「国民の暮らしの安心」「平和に暮らせる街」という原点が置き去りになるという懸念です。
この点について、集会でのスピーチにもあった「平和はあきらめない人の手によってつくられる」という発言が象徴的です。つまり、憲法を生かすということは、普通の市民が声をあげ続けることであり、政策をただ追認することではないということです。
この種の市民集会は、憲法を巡る議論を再び可視化する契機となります。改憲の推進側と護憲の運動側の間にある溝は依然深く、今後も世論動向・政治の動きが注目されます。加えて、現在進む軍拡・安全保障関連予算の増加が、憲法9条を巡る解釈変更だけでなく、実質的な政策転換を伴う可能性がある点は軽視できません。
ただし、護憲側も単に現状維持を訴えるだけではなく、憲法理念を現実の社会・政策にどう生かすかという具体的な提示が求められています。今回の集会のスピーチや参加者の声からは、その意欲が読み取れます。
一方、改憲を掲げる側にとっても、憲法改正の正当性を問う国民理解の構築は急務です。特に、軍拡や安全保障政策と結び付く形での改憲論議では、「国民のための政治」かどうかが問われ続けるでしょう。企業・団体献金との関係が政権側に指摘されていることから、この点でも市民の目は厳しくなっています。
結局のところ、憲法公布79年を機に、憲法を守るだけでなく「生かす」という視点での議論が、今後の日本社会においてますます重要になっているといえます。