2025-01-27

2025年1月26日に行われた岐阜県知事選挙で、元経産官僚の江崎禎英氏（60歳）が初当選を果たしました。江崎氏は、20年ぶりの新知事として、岐阜県の未来をどのように変革しようとしているのでしょうか。

■江崎禎英氏の経歴と当選の背景
江崎氏は岐阜県山県市出身で、東京大学教養学部を卒業後、英国サセックス大学大学院で学びました。1989年に通商産業省（現・経済産業省）に入省し、通商政策局や産業政策局、貿易局などで勤務。その後、内閣府大臣官房審議官として新型コロナウイルス感染症対策に尽力しました。2021年には社会政策課題研究所を設立し、所長を務めています。


■掲げられた「10の目標」
江崎氏は、岐阜県の未来を切り開くため、以下の「10の目標」を掲げています。

・若者や女性が持てる力を発揮できる働き方や職場をつくる
・子どもを産み育てやすい環境やサポートシステムをつくる
・お年寄りや障がいのある方が活躍できる場や居場所をつくる
・災害などに強いインフラや医療、防災システムを整備する
・鳥獣害のない里山を作り多様な価値を生む農業を推進する
・山林や堆肥などを活用したクリーンなエネルギーを供給する
・中堅中小企業の生産性を高め伝統産業の価値を発信する
・社会課題を解決し未来を拓く新たなビジネスや産業を生み出す
・豊かな感性を育み多様な子どもが一緒に学ぶ教育を実現する
・文化や芸術、スポーツなど人生を豊かにする活動を促進する

これらの目標は、性別や年齢、障がいに関わらず、すべての県民の安心した生活と豊かな活動を支援することを目的としています。


■合気道の精神を生かした県政運営
江崎氏は、大学から始めた合気道の6段の腕前を持ち、政治と合気道の共通点について語っています。合気道では、相手の「流れ」を生かすことが重要であり、これは県民の意見や要望を尊重し、柔軟かつ調和の取れた政策を推進する姿勢に通じます。

■「政策オリンピック」で県民の声を反映
選挙戦では、県民参加型の「政策オリンピック」を掲げ、自分の意見で世の中が変わる体験をしてもらいたいと述べています。これは、県民からアイデアを募り、優れた政策を選ぶことで、県民の意見を政策に反映させる取り組みです。

■課題と今後の展望
一方で、江崎氏は投票率の低さについても言及しています。特に若者の政治への関心の低さが指摘されており、「誰がやっても変わらないんでしょ」「自分が動いたって変わらないんでしょ」という声が投票率に影響していると分析しています。これからの課題として、若者の政治参加を促進し、投票率の向上を目指す必要があります。


江崎禎英氏は、岐阜県の未来を見据え、教育や福祉、農業、経済など多岐にわたる政策目標を掲げています。合気道の精神を生かし、県民の声を反映させる県政運営を目指す姿勢が伺えます。今後、これらの目標がどのように実現され、岐阜県がどのように変革していくのか、注目が集まります。