2025-04-25 コメント: 2件 ▼
【全国知事会・村井会長が減税論に警鐘】税収減で行政サービス低下は不可避
減税論に懸念表明
全国知事会長・村井嘉浩氏「サービス維持は困難」全国知事会長である宮城県の村井嘉浩知事は25日、消費税などの減税を巡る各党の動きに対し、「減税は行政サービスの低下を招く」と強い警戒感を示した。知事会のオンライン会合後、東京都内で記者団に対し発言した。
「減税論にはリスク説明が不可欠」
村井氏は、税収減のマイナス面を指摘し、「夢物語のように税金だけ下げてサービスを維持することは不可能だ」と厳しい口調で語った。さらに、「負担とサービスの関係について何も説明せず、責任ある立場の人が減税を主張するのは無責任だ」と各党の姿勢を牽制した。
特に、消費税減税が話題になっている今夏の参院選に向けて、選挙目当てで安易に減税論を打ち出す動きに懸念を表明。「国民に負担減だけを訴えるのではなく、減税がもたらす行政サービスの縮小リスクも併せて説明すべきだ」と強調した。
知事会の意見集約「現場の声を無視するな」
今回の知事会では、各自治体からも「減税による税収減は地方財政に深刻な影響を与える」との声が相次いだ。特に、人口減少や高齢化が進む地域では、医療・介護・教育などの行政サービス維持が限界に近づいているという。
村井氏は「地方行政は国の方針に左右されるが、実際に住民と接しているのは地方だ。現場の声を軽視してはならない」と訴え、国政レベルでの減税論議に地方自治体の現実を反映するよう求めた。
減税論と財政健全化のジレンマ
一方で、与野党からは物価高騰に対応するため「消費税減税」を訴える声が根強い。特に、国民民主党や一部自民党議員などは「国民生活の負担を直撃している」として減税を提案している。
しかし、村井氏は「単なる家計支援だけで減税を行うと、将来の社会保障制度やインフラ整備に必要な財源が確保できなくなる」と指摘。減税と財政健全化の両立は極めて難しい課題であり、「目先の人気取りではなく、長期的視点で議論すべきだ」と警鐘を鳴らした。
国民への誠実な説明を求める
村井氏は最後に、「減税に賛成するか反対するかではなく、国民に誠実な説明をすることが大切だ」と強調。「負担が減ればサービスが縮小する、そのバランスをどう取るのかを正直に示すことが政治家の責任だ」と述べた。
知事会としても、今後、地方財政への影響を精査した上で、政府や各党に対して具体的な要望や提言を行う方針である。
- 村井嘉浩知事「減税は行政サービスの低下を招く」とけん制
- 税収減のマイナス面を国民に説明すべきと主張
- 地方財政への影響を知事会でも懸念、現場の声を無視するなと訴え
- 減税と財政健全化は両立が難しく、長期的視点で議論すべきと指摘
- 国民に対して負担とサービスの関係を正直に説明する必要性を強調