2025-11-04 コメント投稿する ▼
税制"ラスボス"宮沢洋一氏、高市首相に「メローニ路線」での政権運営を期待
高市内閣は従来の緊縮財政から「責任ある積極財政」への転換を目指しており、税調会長は財政規律派の"ラスボス"と呼ばれた宮沢氏から小野寺五典氏に交代しています。 宮沢氏は高市政権に対し、イタリアのメローニ首相のような「極右から中道政策への転換」を期待すると述べ、注目を集めました。
8年にわたり自民党税制調査会長を務めた宮沢洋一参議院議員(75)が2025年11月4日、BS-TBS「報道1930」に生出演し、高市早苗首相(64)への期待について語りました。高市内閣は従来の緊縮財政から「責任ある積極財政」への転換を目指しており、税調会長は財政規律派の"ラスボス"と呼ばれた宮沢氏から小野寺五典氏に交代しています。宮沢氏は高市政権に対し、イタリアのメローニ首相のような「極右から中道政策への転換」を期待すると述べ、注目を集めました。
支持率82%の背景と外交成果への評価
JNNが11月1、2日に実施した電話による世論調査では、高市内閣を「支持する」と答えた人が82.0%に達し、石破内閣時代の10月から38.3ポイントの大幅上昇を記録しました。この数字は2001年以降の政権発足直後の支持率としては、小泉内閣に次ぐ2番目に高い水準です。
高市首相は就任直後から日米首脳会談、日韓首脳会談、日中首脳会談と外交日程が目白押しとなりました。これらの重要な外交案件を無難に乗り切ったことが、高い支持率につながったとみられています。
「外交で安定感を示したのが大きいですね」
「女性初の首相という期待感もありそうです」
「石破政権との違いがはっきり出ました」
「でも支持率は一時的なものかもしれません」
「本当の評価はこれからの政策次第ですよ」
宮沢氏は高支持率について「外交の効果はいろいろあったんだろうと思いますけど、大変高い支持率で。この高い支持率に応える政策をぜひ打っていただきたい」と見解を述べました。
メローニ首相を手本とした政権運営への期待
宮沢氏が最も注目を集めたのは、高市政権の今後について語った発言でした。「高市政権ができた時に、イタリアのメローニのようになると凄いなと思った」と打ち明け、その理由として「これまで極右だったのが、中道的な政策をする。今は国民の支持が大変高い。高市さんもそういう政策をしたら凄いなと思っていた」と説明しました。
ジョルジャ・メローニ氏は2022年10月にイタリア初の女性首相に就任しました。「イタリアの同胞」党首として極右政党出身でありながら、政権獲得後は現実路線に転換し、EU(欧州連合)との協調やウクライナ支援で国際協調路線を継続しています。当初「極右」として警戒されていたメローニ首相ですが、現在では欧州政界の「陰の権力者」とまで呼ばれる存在になっています。
メローニ政権は移民政策で成果を上げ、2024年1月から8月の海からの上陸移民数は前年同期比で63%減少しました。また、2024年6月の欧州議会選挙では、政権与党の「イタリアの同胞」が得票率28.8%で圧倒的勝利を収めるなど、高い支持を維持しています。
財政政策での現実路線への期待
宮沢氏は高市首相にもメローニ首相のような変化の片りんが見えると指摘しました。「外交については恐らくかなり変えられた」とし、東アジア諸国を刺激する靖国参拝も現状では封印していることから、「非常に順調な外交をされている」と評価しました。
10月まで財政規律派の"ラスボス"と呼ばれた宮沢氏だけに、今後の税制政策への関心は高いものがありました。高市政権が掲げる「責任ある積極財政」について、宮沢氏は「責任ある積極財政というものが、将来を見据えた経済政策をできるかということなのかなと思う」と述べ、単なるばらまきではない戦略的な財政政策を求める姿勢を示しました。
税調会長は宮沢氏から小野寺五典氏に交代しましたが、これは高市首相が目指す積極財政路線への転換を象徴する人事とみられています。小野寺氏は旧岸田派で、ガソリン税の旧暫定税率廃止や所得税の非課税枠拡大など、与野党協議を仕切る役割が期待されています。
メローニ首相のように「極右」から「現実路線」への転換を成功させれば、高市政権は長期安定政権への道筋を描くことができるかもしれません。ただし、積極財政政策の実効性や財政規律との両立など、課題は山積しており、宮沢氏が期待する「将来を見据えた経済政策」の実現が問われることになります。