宮古島観光協会(吉井良介会長)が、観光庁の「登録観光地域づくり法人(登録DMO)」に追加認定された。4月9日、吉井会長ら協会の役員が市役所を訪れ、嘉数登市長に認定の報告を行った。これにより、国からの幅広い支援を受けながら、地域観光の中核としての役割を担っていくことになる。
嘉数市長は「観光協会には今後ますます中心的な役割を果たしてほしい。市としても連携しながら取り組んでいきたい」と話し、期待を寄せた。
登録DMOとは何か
DMOとは「Destination Management/Marketing Organization」の略で、地域の観光を一体的にマネジメントし、持続可能な観光地づくりを目指す組織のこと。観光庁の定める要件を満たした法人が「登録DMO」として認定される。
単なる観光のPRではなく、観光資源の保全や地域経済への波及などを見据えた戦略を立て、データを活用しながら地域全体を動かしていくのが特徴だ。
認定によって得られる支援
登録DMOになると、観光庁や関係省庁から次のような支援を受けることができる:
- 観光DX(デジタルトランスフォーメーション)推進の補助事業
- 観光人材の育成に向けた研修や事業支援
- 宿泊者データや消費動向など、各種データ提供と活用のための仕組み
- 地域観光のモデル事業、実証事業への参加機会
つまり、宮古島観光協会は今後、国とタッグを組みながら地域の観光戦略を練り、具体的な施策を展開していける体制が整うことになる。
協会の今後の展望
吉井会長は「観光客の満足度を高めるのはもちろん、島の人たちの暮らしや文化が守られる観光を目指したい」と意欲を語った。実際、オーバーツーリズム(観光の過密化)が課題になりつつある宮古島では、地域とのバランスを取りながら観光をどう育てていくかが問われている。
協会では今後、来島者の動向を把握するためのデータ分析や、島内の交通・受け入れ体制の整備、人材の育成などに力を入れていく考えだ。
地域とともに歩む観光へ
宮古島はここ数年、国内外からの観光客が急増している。一方で、自然環境の保全や住民の生活への影響も指摘されるようになった。観光は地域にとって重要な産業であると同時に、地域の資源と密接に関わる。
今回の登録DMO認定は、単なる肩書きではなく、観光を持続可能な形で育てていく責任と機会を同時に意味する。
吉井会長は「この認定をきっかけに、島の未来を見据えた観光づくりに本腰を入れたい」と語り、市や関係団体と連携しながら地域の未来を築いていく方針を示した。
- 宮古島観光協会が観光庁の「登録DMO」に認定
- 国の補助事業や観光データの提供など、多くの支援が受けられる
- デジタルや人材育成を含めた持続可能な観光地経営を担う
- 地域住民と観光客の共存を図る観光戦略の立案が期待される
- 観光の質と地域の生活の調和を重視する姿勢