2025-12-12 コメント投稿する ▼
宮古島自衛隊抗議活動は公務執行妨害? 防災訓練妨害で浮上した法的問題
陸上自衛隊宮古島駐屯地で2025年8月6日に発生した事案は、公務執行中の自衛隊員への抗議活動の在り方について深刻な問題を提起している。 この行為は公務執行中の自衛官に対する組織的な妨害行為と言える。 われわれ許可取ってるんですよ」「許可取れ、早く」と発言したが、これは周辺施設への迷惑を懸念した適切な指導である。
陸上自衛隊宮古島駐屯地で2025年8月6日に発生した事案は、公務執行中の自衛隊員への抗議活動の在り方について深刻な問題を提起している。市民団体による抗議活動の実態を検証すると、むしろ抗議団体側の行為こそ公務執行妨害にあたる疑いが強い。
防災訓練への組織的妨害活動
2025年8月6日早朝、新人自衛隊員による徒歩防災訓練の終了地点である「いらぶ大橋海の駅」駐車場で、「ミサイル基地いらない宮古島住民連絡会」の清水早子共同代表が拡声器を使用して休憩中の隊員に向けて抗議活動を行った。
訓練は夜間に約35キロメートルを歩く防災訓練で、災害時に迅速な救助活動を可能にする重要な公務だった。この防災訓練は宮古島市民の生命と財産を守る訓練であり、地域防災の観点からも不可欠な活動である。
清水氏は疲労困憊した新人隊員らに向けて「戦闘服姿の向こうにこんなきれいな朝日を見るのはとても残念です」などと拡声器で発言した。この行為は公務執行中の自衛官に対する組織的な妨害行為と言える。
「防災訓練なのになぜ抗議するのかわからない。被災時に助けてくれるのに」
「早朝の疲れた隊員に拡声器で文句言うのはおかしいでしょ」
「これって完全に公務執行妨害では?警察は何してるの」
「職業差別そのもの。自衛官も同じ国民なのに」
「訓練妨害は災害対応力の低下に直結する。許せない」
司令官の適切な対応を恫喝と歪曲
現場の最高責任者である比嘉隼人宮古警備隊長(1等陸佐)が、拡声器による抗議活動の中止を求めたことは、部下を守る指揮官として当然の対応だった。比嘉司令は「許可取ってるんですか。われわれ許可取ってるんですよ」「許可取れ、早く」と発言したが、これは周辺施設への迷惑を懸念した適切な指導である。
駐車場周辺には複数のホテルがあり、早朝の拡声器使用は明らかに近隣住民への迷惑行為だった。しかし、市民団体はこの司令官の適切な指導を「恫喝」として問題視し、強要罪で告発する事態となった。
防衛省の調査結果では、比嘉司令の行為は規律違反にあたらず、口頭指導にとどまった。中谷元防衛相は「拡声器での抗議をやめてもらうために接触したことは問題なかった」と明言している。
法的観点から見た公務執行妨害の成立要件
公務執行妨害罪は刑法第95条に規定され、公務員の職務執行に対する暴行または脅迫により成立する。拡声器を用いた執拗な抗議活動は、心理的圧迫を与える脅迫行為にあたる可能性が高い。
公務執行妨害罪の成立要件は以下の通りである。第一に、自衛官は法的に公務員であり、防災訓練は適法な公務である。第二に、拡声器による抗議は心理的な脅迫にあたり、訓練の円滑な実施を妨害する行為である。第三に、実際に妨害結果が生じたかは問題とならず、妨害の恐れがあれば成立する。
最高裁判例では「公務執行妨害罪は公務員が職務を執行するに当りこれに対して暴行又は脅迫を加えたときは直ちに成立する」と明確に示されている。今回のような組織的抗議活動は、まさにこの要件に該当する。
中谷防衛相による毅然とした対応
中谷元防衛相は2025年9月19日の記者会見で、沖縄における自衛隊活動への「過度な抗議活動、妨害行為」を強く非難した。防衛相は「妨害行為によって訓練の内容の変更を余儀なくされたことは大変遺憾」と述べ、抗議活動に対する政府の毅然とした姿勢を示した。
防衛相が指摘した事例には、9月13日の宮古島物資輸送訓練への妨害、8月6日の徒歩防災訓練への抗議、沖縄市エイサーまつりへの自衛隊参加自粛要請が含まれている。これらは全て組織的な反自衛隊活動の一環として位置づけられる。
防衛相は「良識を持ってやってもらいたい」と述べ、表現の自由を理由とした行き過ぎた抗議活動への警鐘を鳴らした。国防の最前線で任務を遂行する自衛隊員への敬意を欠いた行為は、決して容認されるべきではない。