2025-10-08 コメント投稿する ▼
宮古島で5メートルの巨大サメ出没 漁業被害拡大で地元ハンターが命懸けの駆除
沖縄県の宮古島近海で体長5メートルを超える巨大なサメが相次いで確認され、地元の漁業や観光業に深刻な影響が出ています。 こうした状況が続けば、観光客が襲われるおそれもあり、地元では危機感が強まっています。 砂川さんは漁師とダイビングインストラクターを兼ねながら、40年以上にわたりサメの捕獲活動を続けています。 砂川さんは「これが海にいると思うと、観光客が怖がるのも当然」と話します。
沖縄・宮古島に巨大サメ出没 漁業と観光に深刻な影響
沖縄県の宮古島近海で体長5メートルを超える巨大なサメが相次いで確認され、地元の漁業や観光業に深刻な影響が出ています。島民の安全を守るため、地元のハンターたちがサメの駆除に取り組んでいます。
増えるサメ被害に島民の不安
宮古島は透明度の高い海で知られる国内有数のリゾート地ですが、近年サメの出没が増えています。漁師によると、釣り上げた魚をサメが奪う「横取り被害」が多発しており、被害は年々増加しているといいます。
漁師は次のように話します。
この近海はサメの被害で、ひどい時は1匹も上がらない。漁師の島に、サメは百害あっても一利もない
こうした状況が続けば、観光客が襲われるおそれもあり、地元では危機感が強まっています。
40年にわたりサメと向き合う男
サメの駆除に立ち向かっているのが、ダイビングショップ「DIVE宮古島」を経営する砂川博一さん(70)です。砂川さんは漁師とダイビングインストラクターを兼ねながら、40年以上にわたりサメの捕獲活動を続けています。
県外から訪れる常連客も多く、砂川さんの元には支援を申し出る人々が集まります。
「ヒロさんに会いに毎月来ている」
「ダイビングだけでなく、砂川さんの活動を応援したい」
命懸けの駆除作業
今回の駆除対象は体長3メートルを超える大型のイタチザメでした。砂川さんたちは特大の釣り針を仕掛け、翌日、海に出て確認しました。
ほら、掛かってるでしょ!しっかりつかんでおけよ!
ロープを引き上げると、海面には巨大なサメの姿が。体長は5メートルを超え、力強く暴れるサメとの格闘が始まりました。砂川さんは仲間と連携しながら、サメの頭を狙ってモリを打ち込み、1時間に及ぶ死闘の末にようやく仕留めました。
その後の作業で4匹のサメが駆除されましたが、そのうちの1匹は腹の中に数十匹の胎児を宿していたメスでした。砂川さんは「これが海にいると思うと、観光客が怖がるのも当然」と話します。
観光業にも影響、地域で新たな取り組み
観光客からは「泳ぐのが怖い」「海に入るのをためらう」といった声が上がっています。一方で、駆除したサメを地域振興に活用する動きも出ており、地元高校ではサメ肉を調理して提供したり、解体体験ツアーを企画したりするなど、新たな観光資源としての模索も始まっています。
温暖化で生息域が北上
東海大学海洋学部の堀江琢准教授は、サメの増加について次のように分析します。
地球温暖化によって魚の生息域が変わり、サメの行動範囲も広がっている可能性があります。かつては見られなかった本州近海でもイタチザメが出現するようになっています
今後、駿河湾など本州沿岸でもサメの出没が増える恐れがあり、全国的な対策が求められています。
島を守るために
砂川さんは「観光客が襲われれば宮古島の経済は3割は落ちる。若い人が多く来てくれる島だからこそ、絶対に守らないといけない」と語ります。
美しい海を守りながら、島の安全と観光の共存を目指す取り組みは、これからも続いていきます。