2025-06-09 コメント: 3件 ▼
「肝試しではない」内閣不信任案で野党に亀裂 立憲内も小沢・枝野で意見対立
「肝試しではない」内閣不信任案めぐり立憲民主党が揺れる 小沢氏は提出推進、枝野氏は慎重姿勢
国会の会期末が迫る中、立憲民主党内で「内閣不信任案」の提出をめぐる意見の対立が鮮明になっている。石破政権に対する評価を問うかたちで、野党陣営が一致団結できるのか――残された2週間で、政局の火種がくすぶっている。
辻元氏「肝試しではない」 野党の結束に注文
8日、立憲民主党の辻元清美代表代行は、野党側が検討している内閣不信任決議案の提出について、「不信任案は肝試しではない」と語り、軽々に動くべきではないとの立場を明言。他の野党――特に維新や国民民主に対して、真剣に腹を括っているのかと釘を刺した。
肝試しではないと思う。主要野党は一緒に腹くくれんのか。内閣総辞職に一挙に行ったら、首班指名は一緒に行くのかが大きい
この発言の背景には、単なるアピールとしての提出ではなく、「通すための不信任案」でなければならないという認識がある。不信任案が可決された場合、内閣総辞職もしくは衆議院解散に至る可能性があるため、各党の本気度とその後の対応方針を一致させる必要があると訴えている。
小沢一郎氏は提出を強く主張、枝野氏は国益重視で慎重論
党内ではこの不信任案をめぐって意見が真っ二つに割れている。小沢一郎衆院議員は、裏金問題や物価高、外交姿勢の不透明さなどを挙げて、強く提出を主張。野党の存在感を示す最後のチャンスだとし、維新や共産とも連携して提出に踏み切るべきと訴えている。
一方で、立憲の枝野幸男元代表は「このタイミングでの提出は、政局優先と見られ、国益を損ねかねない」として慎重な立場を崩していない。内閣支持率が大幅に下落していない中での解散総選挙となれば、野党側が不利になるとの読みもあり、リスクを冷静に見極めている格好だ。
立憲内でも最終判断は揺れたまま 他野党との共同提出も視野
立憲民主党の野田佳彦代表は、日米関税交渉や来年度予算の方向性、さらに石破首相が万が一解散を決断した場合の勝算など、複数の要素を慎重に勘案しているとされる。
党幹部のひとりは「提出する場合には他党と共同で出す方向で調整している」と述べており、単独ではなく維新・共産・国民などとの歩調を合わせることを重視している。国会最終盤、予算審議や重要法案の処理が一段落した段階での“政治的な一撃”として、会期末ギリギリでの提出が模索されている。
SNSでは「茶番」「解散望む」の声も
この不信任案をめぐる動きには、SNS上でもさまざまな意見が飛び交っている。
「出すなら本気で出せ。どうせ選挙は嫌なんでしょ?」
「内輪揉めで結局なにも決まらない。野党に任せたくない理由がこれ」
「肝試しじゃないのは分かるけど、何のために出さないのか意味が分からん」
「今の政治に信を問うのは当然。むしろ石破にチャンス与えるべき」
「国会閉じる前にやるべきことやれよ。解散でリセットしかない」
特に、裏金問題や補助金行政への不信感が続く中で、「野党が本気で政権交代を目指す気があるのか」という国民の苛立ちが見えるコメントが目立つ。
不信任案提出の意義とは? 政局か信義か
不信任案は憲法上の手続きであり、野党が内閣を直接問責できる唯一の手段である。しかし、その提出は同時に“政治決戦”の合図ともなりかねない。提出することで内閣が解散を選べば、党の戦略と候補者擁立の準備が整っていなければ、逆に打撃を受けるリスクがある。
一方で、「出さなければ野党としての存在感が問われる」とする声も根強い。国民の生活が疲弊し、防衛・外交政策に迷走が見られる今、政治的に“信を問う”ことの意義が改めて浮上している。
減税・憲法改正・家計負担の軽減といった具体的政策論から、政党間の駆け引きに終始するような印象を与えることになれば、有権者の政治不信をさらに招く恐れもある。
立憲民主党が「本気」でこの政局に挑む覚悟があるのかどうか、残された2週間でその姿勢が問われることになる。