2025-10-30 コメント投稿する ▼
山本一太知事「前橋への投資案件が理由」市長問題での発言理由を初めて説明
群馬県の山本一太知事は2025年10月30日、定例会見で、前橋市の小川晶市長が市職員の既婚男性とホテルで面会した問題に対し、自身が積極的に発言してきた理由を説明しました。 **「前橋市への多くの投資案件を知事として決断してきたからだ」と述べ、市政の混乱がこれらの大型事業に与える影響を懸念していることを明かしました。
群馬県の山本一太知事は2025年10月30日、定例会見で、前橋市の小川晶市長が市職員の既婚男性とホテルで面会した問題に対し、自身が積極的に発言してきた理由を説明しました。「前橋市への多くの投資案件を知事として決断してきたからだ」と述べ、市政の混乱がこれらの大型事業に与える影響を懸念していることを明かしました。
知事の「100%信じられない」発言、市政トップの信頼喪失を映す
小川晶市長は2025年9月24日の緊急会見で、既婚の男性職員と10回以上ラブホテルに訪れたことを認めながら、「男女の関係はなかった」と説明しました。しかし、山本知事は会見や自身のブログを通じて、この説明を「100%信じられない」と公言し、市長に対し辞職して出直し選を行うよう求める市議会主要会派の申し入れを支持してきました。
今回の定例会見で山本知事は、自らの言葉が強い点も認めながら、「権力者である知事がはっきり言うと、市長をいじめているように見える」との一部の批判の声も承知していると述べています。
県庁からJR駅への幹線道路再開発、赤城山公園の大規模投資が進行中
山本知事は具体的な投資案件として、県庁からJR前橋駅までの幹線道路再開発事業、赤城山の公園再開発、フラワーパークの再整備をあげました。これらは前橋市の「県都化」と活性化を目指す知事肝入りの主要プロジェクトです。
JR前橋駅北口地区の再開発事業では、地上27階、高さ約93メートルのタワーマンション「ブリリアタワー前橋」が2024年3月に完成しています。このタワーマンションは、低層部に子育て支援施設や店舗を配置し、前橋市内では県庁舎に次ぐ高さを誇る施設となりました。
赤城山公園の活性化では、政府は2025年秋の開業を目指し、アウトドア企業「スノーピーク」が運営するキャンプフィールドと周遊拠点施設「ランドステーション」を大沼湖畔に新設します。年間3万5000人の利用を見込み、インバウンド客獲得も重要な目標とされています。
市議会に調査委員会設置を提案、「真実を調べあげるべき」
山本知事は市議会に対し、専門家も交えた調査委員会を設置し、問題の真実を調べあげるべきだと提案しました。現在、市議会からは市長に対する質問状が送付されており、小川市長は10月2日に全議員に改めて説明する予定となっています。
市役所に寄せられた市民からの苦情や問い合わせは500件を超え、市民の不信は深刻な状況です。一方、中学生が市長の署名入り賞状を受け取った際に「こんなの要らない」と述べるなど、市政への信頼喪失は若い世代にも波及しており、市長の責任は免れない段階に至っています。
「投資責任」と「市政混乱」の葛藤を映すジレンマ
山本知事の発言からは、県知事としての投資責任と、市政の深刻な混乱の間で揺れ動く心情が透けて見えます。前橋市への「多くの投資案件」という表現は、県が前橋市に相応の経営資源と期待を投じていることを示唆しており、市政トップの倫理問題が県の投資戦略全体に悪影響を及ぼす事態は避けたいという切迫感が感じられます。
同時に、市政トップとして市民の信頼を失った市長との連携が機能するか疑問視する声も強まっており、今後の展開は前橋市議会の判断次第です。市民感情と県の投資戦略の板挟みの中で、知事の「口出し」は続きそうです。