2025-08-16 コメント投稿する ▼
石垣市長選、ゴルフ場建設を推進する中山氏 観光振興と環境配慮を強調
石垣市長選、ゴルフ場建設を推進する中山氏
石垣市長選の争点の一つとなっているゴルフ場付きリゾート施設建設計画をめぐり、中山義隆前市長は「国際観光地として最低一つは必要」と主張し、建設を推進する立場を鮮明にしている。前勢岳周辺で進む計画は、株式会社ユニマットプレシャスが開発事業者として用地を取得し、県から開発許可を受けている。
中山氏は1期目の市長選から一貫して「ゴルフ場の早期建設」を公約に掲げてきた。新石垣空港の開港以降、石垣島にチャンピオンコースのゴルフ場が存在しないことによる観光客流出を強く問題視しており、宮古島など近隣への団体旅行流出を防ぐ狙いを明言している。
観光振興と地域経済への波及効果
ゴルフ場の必要性について、中山氏は「社員旅行や報奨旅行が激減している。観光産業の基盤を守るためにも不可欠」と訴える。計画では、総客室数約500のホテルやヴィラ58戸が整備される予定であり、観光需要を取り込む起爆剤として期待されている。
石垣市はインバウンド需要も含めて観光客数が伸びているが、宿泊施設や高付加価値型観光の受け皿不足が課題となっている。中山氏は「ゴルフ場を含めた大規模リゾートは観光振興に資する」とし、経済界や八重山ゴルフ協会などの要望に応える立場を示している。
環境懸念に「配慮」を強調
自然保護団体からは反対の声があがっている。建設予定地周辺にはラムサール条約湿地の名蔵アンパルや特別天然記念物カンムリワシの営巣地があり、環境破壊への懸念が強い。これに対して中山氏は「環境を懸念する声は理解している。環境に配慮した開発を進める」と応じている。
新石垣空港建設を例に挙げ、「空港建設時も環境に優しい開発ができた。ゴルフ場についても名蔵湾の自然を守りながら推進できる」と主張し、開発と環境保全の両立を目指す考えを強調した。
市長選の争点として
ユニマットプレシャスによる「石垣リゾート&コミュニティ」計画は約127.4ヘクタールに及び、すでに県から許可も下りている。しかし、着工時期は未定であり、市長の方針が今後の進行に大きく影響を与えることは確実だ。
砥板芳行氏が「自然環境への影響」を重視し慎重姿勢を示すのに対し、中山氏は「観光と地域経済を成長させるため推進」を掲げている。市長選の結果は、地域経済の方向性だけでなく、環境との共存をどう図るかを左右するものとなる。