千葉県の熊谷俊人知事が、今年8月下旬に大阪・関西万博を訪れる方向で調整を進めていることが4日までに分かった。県として出展する「発酵」をテーマにしたブースに合わせた訪問で、現地ではしょうゆやみりん、日本酒といった千葉の誇る発酵文化を、国内外に向けてPRする方針だ。
出展期間は8月27日から30日までの4日間。会場内の「EXPOメッセ」エリアに千葉県のブースが設けられ、県内から香取市、流山市、神崎町の3自治体と、キッコーマンやヤマサ醤油といった地元企業が参加する。熊谷知事も現地入りし、来場者に県の魅力を直接伝える「トップセールス」を行う予定だ。
しょうゆ、みりん、そして酪農──千葉が誇る食文化
千葉県はしょうゆの生産量が日本一。発酵を活かした食品の文化が根強く、みりんや日本酒も地域の特色として知られている。今回の万博ブースでは、それぞれの自治体や企業が工夫を凝らした展示を行い、来場者に千葉の「味と技」を体験してもらう。
たとえば香取市は日本酒や白みりんの試飲を通じて、地元産品の魅力を紹介。流山市は「流山白みりん」の歴史や使い方を伝え、神崎町ではしょうゆを使った煎餅づくりの体験も予定されている。キッコーマンは伝統の醤油づくりをパネルで紹介するほか、ヤマサ醤油は製造に使われる微生物の働きにもスポットを当てる。
また、千葉は「酪農発祥の地」とも言われている。江戸時代、徳川吉宗の命により、房総半島でインド産の乳牛が飼育され、「醍醐」と呼ばれる乳製品が作られたという記録が残る。今回の出展では、こうした千葉ならではの酪農の歴史にも光を当てる予定だ。
知事も現地で発信発酵文化で地域活性へ
熊谷知事は昨年12月、千葉市内で開かれた「大阪・関西万博千葉県シンポジウム」にも出席しており、発酵文化を地域資源として世界に発信する必要性を強調してきた。
知事は当時、「発酵というテーマは、千葉の産業や歴史、文化の多面性を象徴するもの。万博はそれを世界に知ってもらう絶好のチャンスだ」と語っていた。
今後は万博での発信を弾みに、観光や地場産業の振興、地域のブランド力強化につなげたい考えだ。国内外から多くの来場者が集まる大阪・関西万博の舞台で、千葉の発酵文化がどのように評価されるか、注目が集まっている。
- 熊谷俊人知事が8月下旬、大阪・関西万博を訪問予定
- 千葉県は「発酵」をテーマにブースを出展(8月27日~30日)
- 出展自治体は香取市、流山市、神崎町
- キッコーマン、ヤマサ醤油も参加し試飲や体験イベントを実施
- 千葉県はしょうゆ生産日本一、酪農発祥の地としても知られる
- 熊谷知事はトップセールスで千葉の魅力を世界に発信
- 万博を契機に、地域産業や観光の活性化を目指す