2026-02-24 コメント投稿する ▼
洪水防止の排水機場でケーブル盗難、稼働不能に 銅価格高騰で全国2万件超
排水機場は大雨で川の水位が上がった際にポンプで排水して農地や住宅地を洪水から守るための重要施設ですが、盗難により稼働できない状態となっています。 近年、太陽光発電施設を中心に銅線ケーブルの盗難が全国で急増しており、2024年の金属盗難の認知件数は2万701件と2020年の約4倍に達しています。
千葉県は2026年2月24日、香取市の小堀川にある豊排水機場で銅線ケーブルやバルブなどが盗まれたと発表しました。排水機場は大雨で川の水位が上がった際にポンプで排水して農地や住宅地を洪水から守るための重要施設ですが、盗難により稼働できない状態となっています。県は被害額などを算定して県警香取署に被害届を出す方針です。
近年、太陽光発電施設を中心に銅線ケーブルの盗難が全国で急増しており、2024年の金属盗難の認知件数は2万701件と2020年の約4倍に達しています。背景には銅価格の高騰があり、盗んだ銅線を金属買い取り業者に転売して利益を得る組織的な犯罪グループが暗躍しています。今回のように公共インフラが狙われるケースも増えており、防災機能に深刻な影響を与える事態となっています。
窓ガラス割られポンプ用ケーブル盗まれる
県河川環境課によると、窓ガラスが割られ、ポンプに電力を供給するための銅線などがなくなっていました。2026年2月21日に散歩中の近隣住民が、普段施錠されている建物のドアが開いているのを不審に思い、香取署に通報して発覚しました。
排水機場は通常、大雨時に川の水位が上昇した際、ポンプで排水して周辺の農地や住宅地を浸水被害から守る役割を担っています。しかし、今回の盗難により電力供給ができなくなり、ポンプが稼働できない状態に陥っています。
「防災施設を狙うなんてテロと同じだ」
「梅雨や台風シーズンに間に合うのか心配」
「買い取り業者も罰してくれ、転売できなければ盗まない」
「外国人犯罪グループの仕業だろう、厳罰化を」
「インフラ破壊は窃盗罪じゃなくもっと重い罪にすべき」
全国で金属盗難が急増、2024年は2万件超
警察庁によると、2024年の金属盗難の認知件数は2万701件に上り、統計を開始した2020年の5,478件と比較して約4倍に急増しています。2023年の金属盗難の被害総額は約132億8,700万円に達し、品目別では金属ケーブルが約109億8,100万円で全体の約8割を占めています。
材質別では、銅の被害が約97億7,900万円で全体の約7割を占めており、銅線ケーブルが主要なターゲットとなっていることが明らかです。
特に太陽光発電施設が集中する関東地方で被害が多発しており、2023年は茨城県2,889件、千葉県1,684件、栃木県1,464件、群馬県1,437件、埼玉県1,172件と、関東5県で被害全体の約半数を占めています。茨城県は5年連続で全国ワーストとなっており、深刻な状況が続いています。
銅価格高騰が犯罪の背景
金属盗難が急増している最大の要因は、銅価格の高騰です。JX金属によると、銅の月間平均価格は2020年5月に1キログラム604円でしたが、2021年3月からは1,000円を超え続け、2024年5月には1,643円と2.7倍の値となりました。
ロンドン金属取引所の銅価格も、2004年は1トン2,865.88米ドルであったのに対し、2024年は9,142.14米ドルとなっており、20年間で約3倍に上昇しています。
犯罪グループは日中に下見をし、夜にフェンスを壊して敷地内に侵入し犯行に及びます。送電用の銅線ケーブルを車に積める大きさに切ってから、金属買い取り業者へ持ち込んで換金する手口が一般的です。
警察庁によると、金属ケーブル窃盗事件の検挙人員に占める外国人の割合は、2023年が60.7%、2024年6月末時点で65.0%と、外国人グループによる組織的犯行が目立っています。
2025年に金属盗対策法が成立
こうした状況を受け、政府は2025年3月11日に「盗難特定金属製物品の処分の防止等に関する法律案」(金属盗対策法)を閣議決定し、6月13日に成立、6月20日に公布されました。公布後1年以内に順次施行される予定です。
この法律では、金属くずの買い取り業者に営業の届け出を義務化し、違反した場合は6か月以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金、またはその両方を科すこととなっています。
また、買い取り業者には金属ケーブルを持ち込んできた客の本人確認、取り引き記録の3年間保存、盗品の疑いがある場合の警察への申告を義務付けています。
これまで金属リサイクル業者の規制は、17道府県で制定された「金属くず条例」によって行われていましたが、条例のない自治体が規制の抜け穴となっていました。今回の法律制定により、全国的な規制が実現することになります。
今回の排水機場のケーブル盗難のように、公共インフラが狙われる事態は、単なる財産犯にとどまらず、地域住民の生命や財産を守る防災機能を損なう極めて悪質な犯罪です。法整備に加え、防犯カメラの設置、定期巡回の強化、アルミケーブルへの切り替えなど、多層的な対策が求められています。