2025-09-11 コメント投稿する ▼
千葉県が奨学金返還支援を検討 技術系・児童福祉職の人材不足解消へ
千葉県は、新規採用職員のうち技術系および児童福祉関連職種を対象に、奨学金の一部を県が負担する「代理返還」制度の導入を検討している。 副知事は議会で「若者人口の減少で人材獲得競争はさらに激しくなる」と述べ、代理返還制度の検討を進めていることを強調した。
千葉県が奨学金返還支援を検討 技術系・児童福祉職の人材確保狙う
千葉県は、新規採用職員のうち技術系および児童福祉関連職種を対象に、奨学金の一部を県が負担する「代理返還」制度の導入を検討している。人材不足が深刻化する中、公共インフラの維持や児童福祉の現場での安定的な人材確保を目的とした施策だ。高梨みちえ副知事が11日開会の9月定例県議会で明らかにした。
県によれば、対象は土木、建築、電気などの技術系職種に加え、児童指導員、児童福祉司、保育士などを想定。制度が実現すれば、早ければ来年4月採用の職員から適用される見通しだ。
「奨学金の負担が大きく就職先を選びにくい」
「県が負担してくれるなら安心して公共の仕事に就ける」
「人材不足の解消につながるなら歓迎」
「ただし公平性や財源の説明が必要だ」
「なぜ技術系と福祉系だけなのか議論が必要」
深刻化する人材不足と奨学金問題
技術系職種は少子化や民間企業との競合により採用予定者数を満たせない状況が続いている。また、児童福祉の現場でも人材不足が顕著で、待機児童問題や虐待対応など社会的課題の解決に向けた担い手確保が喫緊の課題となっている。奨学金の返済負担が進路選択に影響を与える現実を踏まえ、制度導入によって県職員としての就職を後押しする狙いがある。
副知事は議会で「若者人口の減少で人材獲得競争はさらに激しくなる」と述べ、代理返還制度の検討を進めていることを強調した。県内外からの優秀な人材を呼び込み、安定的な雇用を確保することが不可欠だとする。
成田空港周辺の産業用地整備と県の姿勢
同日の議会では、熊谷俊人知事が成田空港周辺の産業拠点形成についても言及した。知事は「機能強化に伴い、産業用地への急速なニーズが見込まれる」と述べ、「県としてこの機会を逃さず、産業用地を確保することが重要だ」と強調。スピード感を持って対応する必要性を指摘し、県が直接用地整備に乗り出す可能性を示した。
この発言は、空港関連産業の成長に対応するための戦略的な土地政策の一環であり、県の経済振興策として注目される。
透明性と公平性への課題
一方で、奨学金代理返還制度の導入にあたっては、制度設計の透明性や公平性が問われる。対象職種の限定が妥当かどうか、またどの程度の額を県が負担するのかといった具体的な数値や仕組みが示されなければ、納税者や県民から不信感を抱かれる可能性がある。「フワッとした説明」ではなく、定量的な成果目標や利用見込み人数、予算規模を明示することが制度定着には欠かせない。
人材確保策としての有効性が期待される一方、制度の持続性と県財政への影響も議論される必要がある。数字を伴った説明責任が果たされなければ、県民の理解と支持は得られないだろう。