福島の木材が万博の大屋根を支える　輿水副大臣が浪江町の製造工場を視察

福島産木材、万博の象徴に――輿水副大臣が浪江町の集成材工場を視察

2025年4月18日、輿水恵一復興副大臣（公明党）は福島県浪江町にある「福島高度集成材製造センター」を視察した。同センターは、2025年大阪・関西万博のシンボルである大屋根リングに使用される集成材の製造を担っており、福島産木材の復興と技術力の発信に寄与している。視察では、福島の林業再生と地域経済の活性化に向けた取り組みが紹介された。

万博の大屋根リングを支える福島の集成材

大阪・関西万博のシンボルである大屋根リングには、約6600立方メートルの集成材が使用されている。そのうち、約3500立方メートルが福島県産材であり、浪江町の「福島高度集成材製造センター」で製造された。このセンターは、木材加工会社「ウッドコア」が運営しており、福島の森林資源を活用した高品質な集成材の生産を行っている。

震災からの再出発と林業の再生

ウッドコアの前身である「朝田木材産業」は、2011年の東京電力福島第1原発事故により全町避難を余儀なくされ、事業の中断を経験した。その後、2018年に県内の別会社と共同でウッドコアを設立し、林業の再生と地域経済の復興に取り組んでいる。阿部孝紀生産管理部長は、「福島の林業復活へ弾みにしたい」と述べ、地域資源を活用した持続可能な産業の構築に意欲を示した。

輿水副大臣の視察と福島産木材の発信

輿水副大臣は、視察後に「万博を通し、福島の木材の良さと高い製材技術を世界に発信できるよう注力する」と語った。福島産木材が国際的なイベントで使用されることは、地域の技術力と資源の価値を広く認知させる機会となる。また、林業の再生と地域経済の活性化に向けた取り組みが、他の被災地へのモデルケースとなることが期待されている。


- 輿水恵一復興副大臣が福島県浪江町の「福島高度集成材製造センター」を視察。
- 同センターは大阪・関西万博の大屋根リングに使用される集成材を製造。
- 約6600立方メートルの集成材のうち、約3500立方メートルが福島県産材。
- ウッドコアは、原発事故後に設立された木材加工会社で、林業の再生に取り組む。
- 輿水副大臣は、福島産木材の良さと製材技術を世界に発信する意向を示す。