2025-10-06 コメント投稿する ▼
沖縄・南城市長、セクハラ疑惑で議会解散 「やっていない」と主張続く
沖縄県南城市の古謝景春市長は2025年10月6日、市職員に対するセクシュアルハラスメント問題をめぐって、市議会が可決した不信任決議に対抗し、議会を解散した。 古謝市長は、報告書の内容に「事実誤認がある」と反発しており、一部の行為を否定している。 新しい議会で再び不信任が可決されれば、古謝市長は自動的に失職し、50日以内に市長選が実施される見通しだ。
議会解散へ 古謝市長が強硬姿勢
沖縄県南城市の古謝景春市長は2025年10月6日、市職員に対するセクシュアルハラスメント問題をめぐって、市議会が可決した不信任決議に対抗し、議会を解散した。市政は混乱を極め、40日以内に市議選が行われる見通しだ。
古謝市長は午前11時に中村直哉議長へ解散通知を手渡した。取材に応じた市長は「これまで第三者委員会に認定されたハラスメントの一部を否定してきたにもかかわらず、市政の混乱を理由に不信任が可決された。大変不本意だ」と語り、「辞職すれば、否定してきた事案まで認めることになる」と述べた。さらに「やっていない。いつかわかる」と繰り返し、自らの潔白を強調した。
「やっていない。いつかわかる」
「辞職はしない。誤解をそのままにしたくない」
「不信任決議は市政を混乱させるものだ」
「私は正しく仕事をしてきたと胸を張れる」
「いずれ真実が明らかになる日が来ると信じている」
市庁舎前には報道陣が集まり、緊張した空気が漂った。市長は足早に車に乗り込み、無言のまま庁舎を後にした。
第三者委の認定と市議会の判断
市が設置した第三者委員会は、今年5月に調査報告をまとめた。その中で、古謝市長による複数のセクハラ行為を認定。被害を受けたとする職員への謝罪と再発防止策を求めた。市議会はこの結果を受け、9月26日の本会議で不信任決議を可決した。
不信任の成立には、議員の3分の2以上の出席と過半数の賛成が必要とされる。南城市議会の定数は20。今回の決議はその条件を満たし、市政に大きな波紋を広げた。
古謝市長は、報告書の内容に「事実誤認がある」と反発しており、一部の行為を否定している。会見では「肩に触れたことはあったが、セクハラ目的ではない」と説明し、「委員会の判断は一方的だ」と不満を示した。市民の間では「市長は説明責任を果たすべきだ」という声と、「真相が明らかになるまで見守るべきだ」という意見が割れている。
「不信任か信任か」市民の判断へ
今回の議会解散により、40日以内に新たな市議会議員選挙が行われる。新しい議会で再び不信任が可決されれば、古謝市長は自動的に失職し、50日以内に市長選が実施される見通しだ。市長の去就は、市民の投票によって決まることになる。
不信任決議を推した市議の一人は「市長が説明責任を果たさない以上、議会としては信任できない」と述べた。一方、市長を支持する一部の住民は「調査結果がすべて正しいとは限らない」「市長が辞めたら混乱する」と擁護の声を上げる。小さな市であるがゆえに、市民同士の対立が深まっている。
信頼の回復なるか
古謝市長は平成18年に初当選し、現在4期目。長く地域に根ざした政治を続けてきたが、今回の問題でその信頼は大きく揺らいでいる。職員の一部は「職場に戻るのが怖い」と語り、内部の緊張も続いている。
市政を立て直すには、まず被害を訴えた職員への誠実な対応が欠かせない。調査の透明性、再発防止策の実効性、市民への説明責任。そのいずれもが問われている。
古謝市長が語った「いつかわかる」という言葉が、信頼回復のきっかけになるのか、それともさらなる分断を生むのか。南城市の舵取りは、今まさに市民の判断に委ねられている。