2025-04-08 コメント投稿する ▼
「財源守るため減税せず」鈴木総務会長が明言 自民内で異論も
自民党の鈴木俊一総務会長は8日、党の総務会後の記者会見で「消費税の減税は実施すべきではない」と明言。理由として、消費税が社会保障を支える大切な財源であることを挙げたうえで、「一度下げると、元に戻すのには相当な政治的エネルギーが必要になる」と指摘した。
同じく自民党の森山裕選挙対策委員長も、同日の会見で「安定的な社会保障制度を維持するには、税収の安定が欠かせない」として、減税には否定的な考えを重ねて示した。
若手議員は減税提言 党内にも温度差
一方で、党内には異なる意見もある。自民党の若手議員で構成される議員連盟「責任ある積極財政を推進する会」は、物価高対策の一環として、所得税や消費税の減税を求める提言をまとめている。提案では、日銀の物価安定目標(2%)が定着するまでの間、消費税率を一時的に5%に引き下げるべきだとしている。
しかし、こうした動きに対し、党執行部は慎重姿勢を崩しておらず、減税をめぐる党内の温度差が浮き彫りになっている。
野党は減税に前向き 立民や維新も声を上げる
消費税減税を求める声は野党からも出ている。立憲民主党の有志議員らは、食料品の消費税を一時的にゼロにする案を掲げて勉強会を開いた。ただし、党執行部は現時点では慎重な立場をとっており、内部でも意見が分かれている状況だ。
また日本維新の会も、減税を含む経済対策を積極的に打ち出しており、今後の国会論戦でもこの議論は焦点の一つとなりそうだ。
財政への影響をどう考えるか
識者の間では、消費税減税が短期的には家計の負担軽減に寄与する一方で、社会保障の安定財源を減らすことになりかねないとの指摘もある。「財政ポピュリズム」に陥ることへの懸念も根強く、裏付けのない減税が将来の財政悪化を招くという見方もある。
政府としては、物価高に直面する国民生活を支えつつ、持続可能な財政運営をどう両立させるかが課題だ。現金給付やエネルギー補助といった選択肢も含め、消費税減税以外の手段も視野に入れた議論が求められている。
- 自民・鈴木俊一氏「消費税減税は実施すべきでない」と明言
- 森山氏も「社会保障の安定的な財源を守るべき」と否定的
- 自民若手議員は一時的な5%減税を提言、党内に温度差
- 立憲・維新など野党も減税に前向き
- 識者は「財政ポピュリズム」への懸念を指摘
- 政府は物価高対策と財政健全化の両立に苦慮