2025-04-09 コメント投稿する ▼
亀井氏「蒸し返しを招くな」 戦後80年談話と“東海”問題で政府に釘
■ 「蒸し返しを招くだけ」との指摘も
亀井氏は、拓殖大学の下條正男名誉教授の「戦争検証で有識者会議を立ち上げて喜ぶのは韓国の反日勢力。蒸し返しが起き、日韓関係がさらに悪化する」との見解を紹介。その上で、「80年談話は出さないということでよろしいか」と政府側に問いかけた。
これに対して岩屋毅外相は、「新たな談話を出すかどうかは、現時点では決まっていない。過去の経緯を踏まえ、様々な観点から慎重に判断するというのが首相の考えだ」と答えた。
政府は、戦後80年にあたる節目に新たな首相談話は発出せず、有識者会議を設けて意見を聞き、首相自らの見解を記者会見などで示す方向で調整している。
■ 北方領土と竹島、なぜ対応が違うのか?
また、亀井氏は地元・島根県が毎年開催している「竹島の日」式典についても言及。政府が例年、閣僚の出席を見送っていることに疑問を呈し、「同じく領土問題である北方領土の日には首相や閣僚が出席しているのに、なぜ対応に差があるのか。県民の間でも疑問の声がある」と訴えた。
これに対し、今井絵理子外務政務官は「それぞれの領土問題は歴史的背景や国際的な事情が異なるため、単純には比較できない」との答弁にとどめた。
■ 「東海」呼称問題にも警戒感
さらに亀井氏は、日本海の呼称をめぐり、韓国が国際社会に「東海」への変更を働きかけている問題にも言及。「日本海と表記された地図に竹島が含まれていると、日本の領土に見える。それを避けようとして韓国が『東海』という呼称にこだわっているのではないか」と警戒感を示した。
外務省の担当者はこれに対し、「現在、世界の主要国の地図の97%以上が『日本海』という呼称を使用している」と説明。その上で、「今後も国際社会に日本の立場を理解してもらえるよう努めていく」と述べた。
■ 過去の問題を繰り返さないために
亀井氏の指摘は、日韓関係が歴史認識や領土問題で繊細なバランスの上に成り立っている現状を改めて浮き彫りにした形だ。特に、戦後80年という節目に政府がどのようなメッセージを出すのか、国内外の注目が集まっている。
政府としては、過去の反省を示しつつも、不必要な対立や感情的な反発を招かないよう、慎重な言葉選びが求められることになりそうだ。
- 亀井氏は「戦後80年談話」や「有識者会議」が韓国の反発を招く恐れがあると指摘。
- 岩屋外相は「新たな談話の発出は未定」と説明。
- 北方領土と竹島の政府対応に差があることに対し、亀井氏が疑問を呈す。
- 「日本海」呼称問題について、韓国の主張に対し日本は国際的理解の維持に努める方針。