2025-08-08 コメント投稿する ▼
赤沢亮正氏「大統領令は修正される」 米相互関税の混乱に遺憾表明と説明責任の課題
日米の認識は一致も、発動内容は“合意違反”
8月7日(日本時間8日午前)、赤沢亮正経済再生担当相は訪問先の米ワシントンで、米トランプ政権の関税措置に関して担当閣僚らと協議を重ねた。今回の訪米は9回目となる。問題となっているのは、日米が事前に合意していた「相互関税」に関して、米国側が一方的に15%の上乗せをすべての日本製品に適用したことだ。
赤沢氏は会見で、「今回の発動内容は、日米合意に沿っていない大統領令に基づいており、極めて遺憾だ」と強く非難した。加えて、米政府側からは「今後、適時に大統領令を修正する」との説明があったことを明かした。だが、具体的な修正のタイミングや手続きの透明性については、はっきりとした説明はなかった。
「言葉は穏やかだが、実質的には“裏切られた”ってことだよね」
「“適時”っていつなんだよ?適当じゃないのか」
「アメリカが勝手にルール変えて、後で直すって通用するの?」
「さかのぼって返金って…本当に信用できるのか?」
「赤沢氏は丁寧に対応してるけど、日本政府の立場はもっと明確に主張してほしい」
15%関税の一律適用に疑問の声
日本政府の説明では、日米の相互関税合意は「15%未満の関税品目は一律15%」「15%以上の品目は追加課税なし」という構造。しかし、7日に始まった米側の関税発動では、すべての品目に対し15%が一律上乗せされるという事態が発生した。
この対応について米側は「内部処理上のミス」としており、日米での認識に齟齬はないとの立場を維持している。しかし、輸出企業や現場からは「混乱を招いたこと自体が問題。説明責任を果たすべきだ」との批判が高まっている。
赤沢氏は「7日以降に発生した過剰な関税徴収については、合意内容を上回る部分を遡って払い戻すと米側は説明している」としており、一部のダメージは回避できる見通しだ。ただ、返金プロセスの信頼性や実効性には依然として不安が残る。
大統領令の修正は本当に行われるのか
赤沢氏は同日午前にラトニック商務長官と約3時間、午後にはベッセント財務長官と30分間にわたり協議を行った。両長官ともに、「日本との合意を尊重する姿勢」を示したというが、現時点で「いつまでに大統領令をどのように修正するのか」という具体的な道筋は見えていない。
この点に関し、国内の専門家や経済界からは懸念の声が上がっている。外為市場でも円売りが一時的に進むなど、日米貿易関係に対する信頼低下の兆しも出ている。修正を「適時に」とする米側の表現は曖昧さを残し、国民や企業にとっては極めて不透明な状態が続いている。
政府の説明責任と交渉力が問われる
今回の一連の対応で浮き彫りになったのは、日本政府の交渉力と説明責任のあり方だ。米側の関税措置に対し、「遺憾だ」とするだけでなく、いつまでに、どのように修正されるのかを明示的に確認し、国民や企業に説明する責任がある。
また、これまでの赤沢氏の対応が丁寧であることは評価できるが、外交交渉の場で「合意違反が起きてからの事後修正」に頼る形では、国際的な立場を弱めかねない。特に、関税の引き下げが即時反映されず、過剰な負担が生じた輸出企業にとっては、すでに経済的損害が発生しているケースもある。
日米関係の安定と信頼は極めて重要だが、それと同時に日本としての主権的立場や国益を守る姿勢が、これまで以上に問われている。