日米関税交渉、赤澤経済再生相が自動車関税引き下げ協議へ 本格折衝スタート

2025-04-26 コメント投稿する

日米関税交渉、赤澤経済再生相が自動車関税引き下げ協議へ 本格折衝スタート

自動車関税引き下げを議題に 次回交渉で確認目指す


アメリカ・トランプ政権の関税強化措置をめぐり、赤澤経済再生担当大臣は、次回の日米閣僚級交渉において、自動車などの関税引き下げを正式に協議対象とすることを確認したい考えを示した。

交渉は日本時間の来月1日にもワシントンで行われる見通しで、日米間の経済協議が本格化する節目となる。

25日に開かれた総合対策本部の会合では、石破茂総理大臣が「アメリカの関税措置は日本の自動車や鉄鋼産業だけでなく、世界経済全体に大きな悪影響を及ぼしかねない」と懸念を表明。「関税見直しを強く働きかけるべきだ」と指示した。

その後、石破総理と赤澤大臣は約1時間にわたり綿密に会談し、交渉方針をすり合わせた。赤澤大臣は「総理との考えを完全に一致させるため、かなり時間をかけて意見を交わした」と明かしている。

「焦らず慎重に」政府内に広がる慎重論


赤澤大臣は、自動車関税の引き下げを確実に交渉の俎上に載せることを優先しつつ、日本から米国への投資継続をアピールし、双方の経済成長に資する道を探る方針だ。

しかし政府内では、交渉への警戒感も強い。トランプ大統領の発言が頻繁に変わることや、米国閣僚の交渉権限が不明確な点を踏まえ、「拙速な妥協を避け、じっくり構えるべきだ」とする声が上がっている。

特に農産物については、日本国内への影響を懸念する声が根強く、焦らず慎重に議論を重ねる必要があるとの認識が共有されている。

自動車と農産物、主戦場の行方


交渉の焦点は、自動車関税と並んで農産物市場の開放にも及ぶ見通しだ。米国側は日本に対し、自動車の輸入拡大と農産物の関税引き下げを強く要求しているとみられる。

これに対して日本側は、国内農家への影響を最小限にとどめるべく、慎重な対応を迫られている。

赤澤大臣は「アメリカの出方を冷静に見極めながら、日本の立場をしっかり説明していく」と述べ、国益を守る構えを強調した。日米双方が歩み寄りを見いだせるかどうかが、今後の交渉の行方を左右しそうだ。

背景解説 TPP離脱後の日米経済交渉


今回の交渉の背景には、2017年のトランプ政権による環太平洋パートナーシップ協定(TPP)離脱の影響がある。

当初、日米両国はTPPを通じて関税や投資ルールの共通化を目指していたが、アメリカの離脱によって二国間交渉が避けられない状況になった。

これを受けて発足したのが「日米物品貿易協定(TAG)」交渉だ。日本はこの交渉で、できる限りTPPの枠組みに沿った内容を維持しつつ、農産物市場の追加開放を回避することに努めてきた。

一方、トランプ政権は「アメリカ第一主義」を掲げ、日本車への関税引き上げをちらつかせながら自動車分野での譲歩を迫ってきた経緯がある。

今回の交渉は、TPP離脱後に生じた日米の経済的不均衡をどう是正するかという長年の課題をめぐる新たな局面でもある。

日本政府は、経済連携の強化を図りつつ、国内産業と国民生活を守るという難しいバランスを取る交渉に臨む。

交渉がうまくいかなかった場合のシナリオ


もし交渉が不調に終わった場合、日本経済にはさまざまな影響が及ぶ可能性がある。

まず懸念されるのは、トランプ政権が自動車や自動車部品への追加関税を実行に移すリスクだ。仮に日本製自動車への関税が大幅に引き上げられれば、日本の輸出産業に大打撃となり、企業収益や雇用情勢にも深刻な影響を及ぼすおそれがある。

また、農産物分野でも、米国から一方的な輸入拡大要求が続く可能性があり、国内農家の反発や政治的混乱を招きかねない。

さらに、日米経済関係全体に不信感が生まれれば、投資や人材交流といった分野にも波紋が広がるだろう。アメリカ側の強硬姿勢が続けば、日本政府には交渉の枠組みを見直し、多国間交渉や他国との連携を模索する必要性も出てくる。

石破総理が指摘するように、今回の交渉は単なる関税問題にとどまらず、日米経済の安定と成長に直結する重要な局面だ。赤澤大臣を中心とする交渉チームには、困難な状況下でも冷静かつ戦略的に国益を守る手腕が求められている。


- 赤澤経済再生担当大臣、次回交渉で自動車関税引き下げの協議入りを目指す
- 石破総理、関税措置の見直しを強く要求
- トランプ政権の姿勢に警戒し、慎重な交渉姿勢を維持
- TPP離脱後の日米経済関係の調整が背景
- 交渉決裂なら、自動車産業・農業・投資環境に広範な影響も

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2025-04-26 12:53:22(先生の通信簿)

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