2026-01-07 コメント投稿する ▼
生活保護申請が2カ月ぶり減少も物価高で受給世帯は苦境続く
弁護士の試算によると、生活保護世帯が負担する生活扶助関連の物価上昇率は2020年から2024年の4年間で12パーセントに達しており、全国消費者物価指数の8.5パーセントを大きく上回っています。 食料品の価格は2020年比で24.1パーセント、光熱水費は14.2パーセントも上昇しており、生活保護世帯の家計を直撃しています。
生活保護申請は2カ月ぶり減少へ転じる
厚生労働省氏は2026年1月7日、2025年10月の生活保護申請件数が2万1241件だったと発表しました。前年同月と比べて1.5パーセント減少し、2カ月ぶりの減少となりました。新たに生活保護を受け始めた世帯数も1万9366世帯で2.2パーセント減少しています。
一方で、すでに受給している世帯を含む被保護世帯数は164万7184世帯で0.3パーセント減少しました。人数ベースでは198万6575人となり、総人口の1.6パーセントに相当します。この数値は、依然として約200万人近い国民が生活保護制度に頼らざるを得ない状況を示しています。
物価高騰が受給世帯を直撃
申請件数が減少に転じた背景には、2025年10月から実施された生活扶助の特例加算拡充があります。政府は物価高騰への対応として、これまでの月額1000円の加算に500円を上乗せし、月額1500円の特例加算を2026年度まで実施する方針を決定しました。
しかし支援団体や専門家からは、この措置では不十分だとする声が上がっています。弁護士の試算によると、生活保護世帯が負担する生活扶助関連の物価上昇率は2020年から2024年の4年間で12パーセントに達しており、全国消費者物価指数の8.5パーセントを大きく上回っています。
食料品の価格は2020年比で24.1パーセント、光熱水費は14.2パーセントも上昇しており、生活保護世帯の家計を直撃しています。月額1500円の加算では、こうした物価高騰に到底追いつかないのが実情です。
「物価高騰で食事もまともに摂れない。月の食費は1万5000円しかない」
「電気代が怖くてエアコンを使えず、熱中症になった」
「食料品の値上がりが止まらず、やりくりが厳しすぎる」
「ガス代節約のために入浴せずシャワーだけにしている」
「生活が苦しく、水だけで過ごす日もある」
諸外国との格差が拡大
日本弁護士連合会氏は2024年12月、生活保護基準の大幅引き上げを求める会長声明を発表しました。声明では、物価高騰に直面する諸外国がドイツで12パーセント、韓国で14パーセント、スウェーデンで8.9パーセントと公的扶助基準を大幅に引き上げていることを指摘しています。
都市部に住む75歳の単身高齢者の生活扶助基準額は、2004年には月額9.4万円でしたが、度重なる引き下げにより2024年度には7.2万円まで減額されました。もし当初の検証結果に従えば6.8万円まで引き下げられる可能性もありました。
こうした状況について、生活保護問題対策全国会議氏の事務局長を務める小久保哲郎弁護士は、オイルショック時の対応を引き合いに出しています。1973年には物価高を受けて年度途中の10月に5パーセント、翌年4月には20パーセントの基準額引き上げが実施されました。「今回も同様の極端な物価上昇があるのに、即時引き上げを検討しないのは解せない」と指摘しています。
生活苦による自殺も増加
さらに深刻なのは、生活保護を受けながらも生活苦で自殺する人が増えている実態です。厚生労働省氏の自殺統計によると、2022年に生活保護受給者の自殺は1014人、2023年は1071人にのぼっています。このうち自殺理由に「生活苦」を挙げた人は2022年が86人、2023年は118人と増加傾向にあります。
健康で文化的な最低限度の生活を保障するはずの生活保護制度が、物価高騰の中で十分に機能していない現状が浮き彫りになっています。申請件数の減少は一時的な現象にすぎず、根本的な解決には生活保護基準の大幅な引き上げが不可欠との声が専門家から上がっています。