2025-09-11 コメント投稿する ▼
「高専学士」創設へ議論加速 おだけかい議員が谷口理事長と意見交換、準学士の課題浮き彫りに
テーマは高専卒業時に付与される「準学士」の在り方であり、新たに「高専学士(仮)」といった学位を創設する可能性について議論が交わされたという。 両者は党派を超えて高専の学位制度改善に取り組んでおり、今回の動きは高専教育の国際的評価や人材育成のあり方に直結する課題を示している。 こうした不利益を解消するため、「高専学士」といった新しい学位を創設する提案が浮上している。
高専の学位創設に向けた議論が本格化
国民民主党の衆議院議員・おだけかい氏(石川1区)は、自身のSNSで国立高等専門学校機構の谷口理事長との意見交換を報告した。テーマは高専卒業時に付与される「準学士」の在り方であり、新たに「高専学士(仮)」といった学位を創設する可能性について議論が交わされたという。
おだけ氏は石川高専出身であり、立憲民主党の下野議員(鈴鹿高専卒)と共に文部科学省へのヒアリングを重ねてきた経緯がある。両者は党派を超えて高専の学位制度改善に取り組んでおり、今回の動きは高専教育の国際的評価や人材育成のあり方に直結する課題を示している。
「準学士」から「高専学士」へ
現在、高専卒業時には「準学士」の称号が与えられるが、学士号ではないため国際的な場面で十分に評価されないケースがある。特に海外の大学や研究機関との交流や進学の際、学位が障壁となる事例が報告されている。こうした不利益を解消するため、「高専学士」といった新しい学位を創設する提案が浮上している。
一方、谷口理事長からは「高専学士」が単に短期大学士と同列に見なされれば、日本独自の実践的カリキュラムの特色が薄れるのではないか、という懸念も示された。名称の工夫や制度設計のあり方は、今後の大きな課題とされている。
現場からの期待と課題
SNSでは今回の議論に対して様々な反応が寄せられている。
「高専の価値を世界に示すために学位は必要」
「準学士では国際的に不利になるのは事実」
「高専独自の強みをどう守るかが課題だ」
「党派を超えて高専の未来を考えてくれるのはありがたい」
「名称よりも中身の充実こそ大事では」
高専教育は長年、産業界と直結した高度な技術者育成を担ってきた。現場からは「高専生にもっと光を当ててほしい」という声が強く、学位制度の見直しはその象徴的な一歩となり得る。
国際社会における「KOSEN」の発信力
おだけ氏は「海外に対しても“KOSEN is KOSEN”と発信できるよう取り組みを進めたい」と述べている。国際的に評価される技術者教育ブランドとして「KOSEN」を確立するためにも、学位制度の整備は重要課題だ。
今後は、文部科学省や高専機構、そして国会での議論を通じて制度設計が具体化することになる。単なる名称変更にとどまらず、高専教育の本質的価値を国内外にどう伝えるかが焦点となる。