2025-04-01 コメント投稿する ▼
山としひろ氏「減税より給付」を主張

しかし、この主張には疑問の声も多い。そもそも、税収が増えたのであれば、その分を国民に還元するのは当然のことであり、減税はその最もシンプルな手段である。政府が税収を使い込んでしまうのではなく、納税者に直接返すというのは、国民の信頼を得るためにも重要な政策だ。
■ 減税が経済成長を促す理由
減税には、経済を活性化させる効果があることが過去の例からも分かっている。たとえば、1980年代のアメリカでは、レーガン政権が減税と規制緩和を柱とする「レーガノミクス」を実施した。その結果、実質GDPが27%増加し、税収も50%増加したと言われている。これは、減税によって経済活動が活発化し、結果として税収が増える「税収のLaffer曲線効果」を示す好例だ。
日本でも、2000年代初頭に行われた法人税減税が企業の投資を促進し、景気回復を後押しした。今の日本経済の状況を考えれば、消費税減税や所得税減税によって国民の可処分所得を増やし、消費を活発化させることが求められている。
■ 「減税は富裕層が得をする」という誤解
山氏は「消費税や所得税の減税で得をするのは富裕層」と述べているが、この主張には誤解がある。たしかに所得税の減税は高所得者ほど恩恵が大きくなるが、逆進性がある消費税を減税すれば、低所得者層の負担が軽減される。実際、消費税率を引き上げた際には低所得者ほどダメージが大きいという指摘が多かった。そのため、物価高で苦しむ国民を支援するには、給付だけでなく消費税減税も有効な手段と言える。
また、政府が給付を行う場合、その財源をどう確保するかが問題となる。結局、国債を発行して賄うのであれば、将来的には税金として国民が負担することになる。それならば、税金として徴収せず、最初から国民の手元に残す方が合理的ではないか。
■ 国民のために何が最善の政策か?
政府・与党は、減税とともに給付を組み合わせる方法も検討している。立憲民主党の岡田克也幹事長も「必要な減税は否定しない」と発言しており、党内でも一枚岩ではない。
現実問題として、増税を繰り返してきた結果、日本経済は長期にわたる低成長に陥っている。今こそ、減税を実施し、経済を成長軌道に戻すべきではないだろうか。給付だけでは一時的な効果しかなく、長期的な経済成長につながらない。継続的な景気回復を目指すためには、まず減税を実施し、国民の消費意欲を高めることが必要だ。