2025-04-23 コメント: 1件 ▼
エコカー補助金が中国BYD車に流出 立民・藤岡氏「国産メーカー守れ」と是正要求、政府は消極姿勢
藤岡議員「国民の税金を国産振興に」
電気自動車(EV)などの購入を促進する政府のエコカー補助金制度をめぐり、立憲民主党の藤岡隆雄衆院議員が23日の衆院内閣委員会で、制度の是正を求めた。
藤岡氏は「日本国民の税金は、日本の産業振興に充てられるべきだ」と主張し、補助金が中国大手・比亜迪(BYD)など海外メーカー車両にも支払われている現状に異論を唱えた。
特にBYDについては「補助金が相当流れているとの指摘がある」と指摘し、政府側に実態を問いただした。藤岡氏はまた、中国人観光客向けの10年有効ビザ発給拡大に触れ、「滞在中にBYD車を購入する可能性もあり、結果的に日本の補助金が中国企業支援に回る懸念がある」と批判した。
政府「ユーザー支援が目的」と説明
これに対し、大串正樹経済産業副大臣は「補助金はメーカーへのものではなく、車を購入するユーザーへの支援だ」と説明。
さらに「日本国内で登録または届出された車両であれば、メーカーや申請者の国籍に関係なく対象となる」と述べた。
BYD車に関しては「令和5年度で1300件、6年度は1500件」と補助実績を公表し、台数が年々増加している事実も認めた。
補助金の算定方法については、昨年4月に改定され、車両の電費性能やインフラ整備状況、アフターサービス体制なども総合的に評価するようになった結果、BYD車に対する1台あたりの補助金額は引き下げられたと説明。「5年度と比較して、6年度の総支給額は減少している」と述べた。
藤岡氏「日本メーカーを守れ」と再主張
これに対し藤岡氏は「日本メーカーがプラスになる制度設計に改めるべきだ」と訴えた。
米国のドナルド・トランプ前大統領の「自国産業優先政策」にも言及し、「日本も国益を重視し、自動車産業を守る姿勢を明確に打ち出すべきだ」と強調した。
また、海外勢への補助が続けば、日本の自動車メーカーが国際競争でさらに後れを取る恐れがあると警鐘を鳴らし、制度の抜本的見直しを迫った。
エコカー政策の課題浮き彫りに
今回のやり取りは、カーボンニュートラル政策を進める中で、エコカー補助金制度が内包する課題を浮き彫りにした。
グローバル化を前提にしたオープンな市場競争を維持するか、自国産業保護に重きを置くか。政府は慎重な姿勢を崩していないが、国内産業振興と国際競争力のバランスをどう取るか、今後の議論が注目される。