2025-12-23 コメント: 1件 ▼
新米販売37.5万トンで過去最低、高値背景に販売停滞、集荷は増加も慎重姿勢続く
農水省が12月23日に発表した2025年産米の販売状況調査で、JA全農など大手集荷業者による11月末時点の販売数量が37.5万トンとなり、調査開始以来過去最低を記録しました。これは米価の高値水準が続く中で、販売が著しく停滞している実態を示しています。
新米の出荷控えが顕著に
今回の調査結果で特に注目されるのは、集荷や契約は例年並みの水準を保ちながら、販売だけが大幅に減少している点です。集荷は前年比27.3万トン増の218.4万トン、契約は2.2万トン増の179.9万トンと順調な推移を見せています。一方で販売は前年同期比7.5万トン減と、集荷増加とは対照的な結果となりました。
この現象の背景には、2025年産米の相対価格が依然として高水準にあることが大きく影響しています。2025年産の概算金は多くのJAで過去最高水準に設定され、農家の期待値も高くなっています。JAおおいたのヒノヒカリ2万3000円、JA阿蘇のコシヒカリ3万円超など、60キログラム当たりの価格水準は前年を大きく上回っています。
集荷業者側も、より有利な価格での販売機会を模索しているとみられ、慌てて市場に放出する必要性を感じていない状況が窺えます。特に2024年産米の価格高騰で利益を確保した経験から、時間をかけて販売先を選別する傾向が強まっています。
「令和の米騒動」の余波が継続
2024年に発生した米不足と価格高騰の影響は2025年産にも波及しています。消費者の米に対する関心は依然として高く、品質の良い銘柄米への需要は堅調です。このため集荷業者は、より高値での販売が期待できる時期まで在庫を保持する戦略を取っています。
農水省の調査対象となった大手集荷業者(年間仕入れ量5000トン以上)の動向は、米流通全体のトレンドを反映しています。従来であれば新米の収穫後、年末に向けて販売が活発化する時期ですが、今年は価格水準の高さが販売ペースを鈍化させています。
政府備蓄米の大量放出により小売価格は一時的に下落しましたが、2025年産の新米市場では依然として強気の価格設定が続いています。これは生産コストの上昇や気候変動によるリスクを踏まえた、農業関係者の慎重な姿勢を反映しています。
「新米の品質は良いので、適正な価格で販売したい」
「去年のような品薄状態にはならないが、安く売る理由もない」
「消費者の米への注目度が高いうちに、しっかりした値段をつけたい」
「備蓄米が出回った影響で、慎重に販売タイミングを見ている」
「農家の生産コストを考えれば、この価格水準は妥当だと思う」
市場メカニズムの変化を示唆
今回の販売数量減少は、単なる一時的な現象ではなく、米流通市場の構造変化を示している可能性があります。従来の「作ったらすぐ売る」から「価格を見極めて売る」への転換が進んでいます。
特に中小規模の集荷業者の中には、直売ルートの開拓や契約栽培の拡大により、従来のJA経由の流通に依存しない販売体制を構築する動きも見られます。インターネット販売の普及により、産地直送の販売機会が拡大していることも、販売戦略の多様化を後押ししています。
一方で、この販売停滞が長期化すれば、消費者への安定供給に支障をきたす恐れもあります。農水省は引き続き流通状況の監視を強化し、必要に応じて業界団体への働きかけを行う方針を示しています。
今後は2025年産米の品質評価や消費者の購買動向、さらには2026年産の作付け意向などが、米価の動向を左右する重要な要因となります。高市政権が推進する農業政策の下で、生産者の所得確保と消費者への安定供給の両立が課題となっています。
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