2025-10-14 コメント投稿する ▼
立憲・安住幹事長が覚悟の発言 48票を死に物狂いで集める、野田降ろしも辞さず
立憲民主党の安住淳幹事長氏が2025年10月14日の記者会見で、政権交代への強い決意を示しました。 安全保障とエネルギーについて、安住幹事長氏はわれわれはぜんぜん逃げないと述べ、公明党との政策は近いとの認識を示しました。 公明党とのやり取りについて、安住幹事長氏は水面下の話は一切言えないとしつつ、野党の立場でお互い連携していきたいと強調しました。
立憲民主党は衆院で148議席を持ち、自民党の196議席との差は48議席です。過半数の233議席を確保するには、日本維新の会の35議席、国民民主党の27議席、公明党の24議席などとの連携が不可欠となっています。安住幹事長氏は14日の常任幹事会で首相指名選挙への対応について代表一任を取り付けました。
数の論理を隠さない現実路線
安住幹事長氏は会見で、連立は数合わせだとの批判について、この世界では当たり前。きれいごとでごまかしているうちは本物ではないと指摘しました。政権を本気で変えるなら、48票を死に物狂いで、どんなお考えであってもこの48人の票を集めるしかないと強調し、本気で私どもは勝ちにいっていると述べました。
国民民主党の玉木雄一郎代表氏が理念・政策の一致を求めていることについて、当事者に聞いてほしいと述べるにとどめました。一方で、私達のほうがはるかに本気だから、場合によっては野田を降ろしてでもやらせてくださいと言っているんですよと語り、野田代表氏への投票にこだわらない姿勢を改めて示しました。
立憲民主党内からは首相指名は玉木雄一郎でいい。配慮する姿勢を見せるべきだとの声も漏れています。ただし、結党時からのリベラル系支持層が離れるとの懸念も根強く、実現性は低いとの指摘もあります。
野田代表を降ろしてでも政権交代を実現する
安保・エネルギーは現実対応で運営
安全保障とエネルギーについて、安住幹事長氏はわれわれはぜんぜん逃げないと述べ、公明党との政策は近いとの認識を示しました。平和安全法制については現行法をいきなり変えることは物理的にできない。政権を引き受けた瞬間から現実対応で運営すると語りました。
原発についても将来ゼロを目指す考えは持つが、現実の運転を直ちに否定しないと述べました。これらのテーマが政権運営の障害になることはなく、基本政策が違う違う、と言うのは別の理由だとの見方を重ねて示しました。
政権を取れば現実的な対応をする。理想だけでは国は動かせない
国民民主党は原子力発電や安全保障政策の隔たりを理由に協力は難しいとの考えを示しています。玉木代表氏は首相を務める覚悟があると明言した上で、立憲民主党にこうした基本政策を修正し機関決定するように求めています。
安住幹事長氏は15日のテレビ出演で、玉木代表氏について政策実現の話ばっかり持ち上げてワイドショーとか出してんでしょ玉木くん。でも忘れちゃダメだよ。政治とカネの問題は解決していないと苦言を呈しました。
公明党との連携に意欲
公明党とのやり取りについて、安住幹事長氏は水面下の話は一切言えないとしつつ、野党の立場でお互い連携していきたいと強調しました。公明党の与党時代の知見は参考になるとして、大きな戦力に加わっていただいたと評価しました。
公明党は自民党との連立離脱を表明し、首相指名選挙では高市早苗総裁氏の名前を書かず、選挙でも協力しない方針です。立憲民主党は公明党を野党陣営に取り込むことで、過半数獲得の可能性を探っています。
公明党との連携で政権交代の可能性が出てきた
野田代表氏は10日の記者会見で、自身以外への投票で野党がまとまる策にも前向きな姿勢をみせました。矜持と覚悟だけでは物事は動かない。身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれということもあり得ると説明し、柔軟な姿勢を示しています。
3党党首会談を提案
安住幹事長氏は維新側とはまず党首会談を、野田代表氏、藤田文武共同代表氏、玉木代表氏の3人で余人を交えずに行うことで合意していると説明しました。14日に行われた3党幹事長会談では、国民民主党にも同様の方向で一致を呼びかける考えを示しました。
野田代表氏は12日、横浜市で記者団の質問に答え、日本維新の会、国民民主党に党首会談を打診するよう安住幹事長氏に指示したと明らかにしました。早ければ14日にも話し合いたいと意欲を示していました。
しかし、維新は自民党との連立協議を優先する動きを見せ、国民民主党も立憲民主党との基本政策の違いを理由に慎重な姿勢を崩していません。野党統一候補の擁立は難航しており、自民党の高市総裁氏が首相に選出される公算が大きくなっています。
安住幹事長氏の発言は、立憲民主党が本気で政権交代を目指していることを示すものです。ただし、野党各党の足並みはそろっておらず、48票の獲得は容易ではありません。21日に召集される臨時国会での首相指名選挙に向けて、野党間の調整が最終局面を迎えています。