2025-10-06 コメント投稿する ▼
安住淳氏「高市早苗総裁の軌道修正を注視」 スローガン政治に懸念、裏金再登用も批判
女性として初めて自民党総裁となった高市氏の誕生に一定の評価を示しつつも、「これまでの言動からどう軌道修正していくのかを注視している」と冷静な姿勢を見せました。 安住氏は「仮に総理になった時に、そのままなのか、それとも軌道修正して普通の自民党総裁に戻るのか」と述べ、高市氏がどの方向に舵を切るのかを見極める考えを示しました。
高市早苗新総裁に安住淳氏「軌道修正を注視」
自民党の新総裁に高市早苗氏が就任したことを受け、立憲民主党の安住淳幹事長は10月6日、国会内で記者団に対応しました。女性として初めて自民党総裁となった高市氏の誕生に一定の評価を示しつつも、「これまでの言動からどう軌道修正していくのかを注視している」と冷静な姿勢を見せました。
安住氏は「女性初の総裁で、自民党なりにこの危機的な状況の中での選択肢だろう」とした上で、「お互い切磋琢磨して日本の政治を前に進めていきたい」と語りました。しかし同時に、「これまでの発言や行動を見ていると、社会の分断を招きかねないような言動が非常に気になる」と指摘し、高市氏の政治スタンスに対する警戒感をにじませました。
“発言の軌道修正”に注目 野党の視線は冷静かつ厳しく
高市氏はこれまで、憲法改正、スパイ防止法制定、経済安全保障の強化など、保守的な政策を前面に掲げてきました。その一方で、ジェンダー政策や多様性に関する発言をめぐり、社会的な議論を呼んだ経緯もあります。
安住氏は「仮に総理になった時に、そのままなのか、それとも軌道修正して普通の自民党総裁に戻るのか」と述べ、高市氏がどの方向に舵を切るのかを見極める考えを示しました。
「発言の重みが増す立場になった以上、慎重な姿勢を期待したい」
「保守色を出すのは構わないが、社会の分断を深めるようでは困る」
「女性リーダーの誕生は歓迎するが、思想的には極端すぎる印象もある」
「与党が変わっても、国民生活に直結する政策を続けてほしい」
「政治は理念より結果。新総裁には現実的な政策遂行力を求めたい」
SNSでもこうした声が多く見られ、国民の関心は「改革の実効性」と「政治姿勢の柔軟さ」に集まっています。高市政権がスタートする前から、社会的な期待と警戒が入り混じる空気が広がっています。
経済政策への懸念 “スローガン政治”脱却を要求
安住氏はまた、ガソリン税暫定税率の廃止や給付付き税額控除など、現政権が協議していた経済政策の扱いについても言及しました。
「高市総裁になって引き継がれるのか、ちゃぶ台返しになるのかは見てみないと分からない。(高市氏は)主要野党の掲げていることは全部やると言っているが、全部やるなら財源はどうするのか。きちんと示してもらわないといけない」と述べ、財源論を伴わない政策スローガンを厳しく批判しました。
立憲民主党内では、所得格差是正や中間層支援を柱とする政策を掲げており、安住氏は「これからはスローガン政治ではなく、リアルな提案を」と注文をつけました。
経済評論家の間でも、「高市氏が掲げる“成長と分配の両立”は理想的だが、財政規律との整合性をどう取るかが最大の課題」との見方が出ています。与野党の協議が実質的な政策論争に進むかどうかが、今後の国会運営の焦点になりそうです。
“裏金議員”の復権を懸念 自民の刷新は本物か
安住氏はさらに、「裏金議員を再登用するようでは、自民党が生まれ変わるどころか、昔の政治の悪い部分が戻ってくる」と強い言葉で警鐘を鳴らしました。
自民党では、派閥の政治資金不記載問題をめぐって多くの議員が処分を受けましたが、その中から新執行部に起用される動きもあり、野党側は厳しく監視しています。
安住氏は「われわれはそれを黙っていない」と述べ、国会での追及姿勢を明確にしました。自民党内では「再登用は経験重視」との声もある一方、国民の不信感は依然として根強いままです。
与党としての信頼回復が問われる中で、安住氏の発言は「女性初の総裁就任」という祝意の裏に、政権運営への厳しい現実認識を突きつけた形となりました。
“祝福と警戒”が交錯する船出
高市総裁就任は、自民党にとって世代交代と刷新の象徴とされていますが、安住氏の発言は「刷新とは何か」を改めて問うものでした。社会の分断を懸念する声、財源なき公約への疑問、そして古い政治体質の復活への警戒——。
新体制の出発点に立つ高市氏が、これらの課題にどう向き合うかが、政権の持続力を左右します。野党との健全な緊張関係を保ちながら、政治が「言葉より結果」を示せるかどうか。国民の視線はすでに厳しく注がれています。