2025-12-18 コメント投稿する ▼
立民・鎌田さゆり氏に階猛委員長が苦言 法務委で委員会運営巡り応酬
理事会での協議を繰り返し求める鎌田氏に対し、階氏は「理事会協議事項にする前に、まず政府側に質問すべきだ」と委員会の進行を正す姿勢を示しました。 これに対し階氏は、「理事会は今日はもう終わっている」と説明し、理事会での協議は2026年になると明言しました。
衆院法務委で与党内から異例の苦言
2025年12月18日の衆議院法務委員会で、法務委員長・階猛氏(立憲民主党)が、同党所属の衆議院議員・鎌田さゆり氏に対し、委員会運営を巡って複数回にわたり苦言を呈する異例の場面がありました。理事会での協議を繰り返し求める鎌田氏に対し、階氏は「理事会協議事項にする前に、まず政府側に質問すべきだ」と委員会の進行を正す姿勢を示しました。
同じ立憲民主党内での応酬でありながら、委員会運営の原則を巡るやり取りが表に出たことで、国会審議の在り方そのものが改めて注目されています。
「理事会は来年」委員長が軌道修正
質疑の冒頭、鎌田氏は先行する立民議員への政府答弁が不十分だったとして、答弁内容の精査を年内に行うよう求め、「法務委員会、もしくは理事会で取り計らってほしい」と委員長に要請しました。
これに対し階氏は、「理事会は今日はもう終わっている」と説明し、理事会での協議は2026年になると明言しました。鎌田氏が「来年で結構だ」と応じたものの、階氏はその後も、理事会への付託を前提とした進め方に疑問を示し続けました。
「委員長が止めるのは珍しい」
「まず質問しろ、は正論だと思う」
「身内への注意だから余計に目立つ」
「委員会運営が見えて興味深い」
「国会の基本が試されている感じ」
旧姓通称使用を巡り応酬続く
委員会では、内閣総理大臣・高市早苗氏が閣僚に出した旧姓の通称使用に関する指示についても議論が交わされました。法務大臣・平口洋氏は、関係閣僚と連携し、旧姓通称使用の課題整理と拡大に取り組むよう指示を受けていると説明しました。
鎌田氏はこれに対し、「それは文書として残っているのか」と問い、指示書の提出を来年の通常国会で行うよう、再び委員長に理事会での取り扱いを求めました。階氏は「答弁者がいるのだから、まず直接質問してほしい」と述べ、理事会に持ち込む前段階の手続きを踏むよう促しました。
旧姓通称使用は、選択的夫婦別姓とは異なる制度であり、家族制度を維持しつつ実務上の不便を解消する現実的対応と位置付けられています。制度の整理を巡る議論では、拙速な制度変更ではなく、通称使用の拡充で対応すべきだという意見も根強くあります。
委員会運営の原則が浮き彫りに
その後も鎌田氏は、政府答弁が論点を外しているとして「時間だけがもったいない」と訴え、委員長に対応を求めましたが、階氏は「質問してください」と繰り返し促しました。最終的に階氏は「理事会ではなく理事間で引き取る」と述べ、形式面での整理を行いました。
今回のやり取りは、法案審議そのものよりも、国会における質問と協議の役割分担を浮き彫りにしました。委員会は政府を質す場であり、理事会は運営を調整する場という基本原則が、与党内からの指摘という形で示された点は象徴的です。国会の信頼を保つためにも、手続きの丁寧さが改めて問われています。