2025-08-10 コメント: 1件 ▼
米山隆一氏、“成長と自然保護”同時実現に疑問 参政党批判の前に立憲民主党も反省を
米山隆一氏、参政党の矛盾を指摘 “年4%成長と自然保護”は両立可能か
立憲民主党の米山隆一衆院議員が、自身のX(旧Twitter)で参政党の政策姿勢に苦言を呈した。米山氏は、参政党が打ち出す政策について「方向性が一貫しておらず、主張そのものが矛盾している」と問題視。特に、経済と環境の両立をめぐる考え方に疑問を示した。
支持者は①年4%の高度成長と、②経済成長優先でなく自然が守られる、が両立すると信じ込んでいるのだと思います。そう言う超絶矛盾したバラ色の未来を信じる方々に何を言えばいいのかと思います
と投稿し、“成長と保護”という相反する目標を同時に成立させられるという認識が、支持者の間で当然視されていることに危機感をにじませた。
参政党が掲げる「年4%成長」と「環境保護」
参政党は、名目GDPの年4%成長を目標に掲げる積極財政路線を明示しながら、同時に自然環境の保護、生物多様性の維持、農薬規制の強化など、環境面でも高い理想を打ち出している。だが、急成長を追求すれば、産業活動やエネルギー消費の増大によって自然環境が損なわれるリスクは避けられない。ここに、米山氏が「超絶矛盾」と呼んだ構造的な問題が潜んでいる。
経済と環境の両立は世界的にも課題だが、具体的な道筋を伴わずに双方の理想を同時に掲げる手法は、耳障りが良い一方で現実性に乏しいとの指摘が多い。参政党の主張は、有権者の“成長も自然も”という欲求をうまく取り込んでいるが、その根拠や実行計画が見えにくい点は否めない。
批判の前に自党の反省を求める声も
一方で、米山氏の発言に対しては、「他党を批判する前に、立憲民主党自身の敗因を振り返るべきだ」という意見もある。立憲は直近の参院選で議席を減らし、野党第一党としての存在感を失いつつある。政策の分かりやすさ、国民への浸透力、党内の一体感――いずれも課題が山積しており、外部批判よりも先に足元の立て直しを求める声が党内外から出ているのだ。
特に参政党の台頭は、既存野党が拾いきれなかった有権者層を取り込んだ結果でもある。立憲が支持を回復するには、単なる政策の羅列ではなく、国民が納得し得る優先順位や実行可能性を伴ったビジョンを提示する必要があるだろう。
政治への信頼回復に必要なもの
今回の米山氏の発言は、単なる論争や揶揄にとどまらず、日本政治に横たわる「理想と現実の乖離」という根本課題を突いたものと言える。経済成長と環境保護という二大テーマの同時追求は、世界でも試みられてきたが、成功例は限られている。重要なのは、矛盾を指摘するだけでなく、その矛盾を乗り越えるための現実的な政策パッケージを提示できるかどうかだ。
立憲民主党にとっても、それは同じ課題である。批判は容易だが、具体的な解決策を示し、実現可能な道筋を国民に説明できなければ、信頼回復は難しい。政治家に求められるのは、バラ色の未来像を語ることではなく、その未来にどう辿り着くかを示す責任である。