2025-07-29 コメント投稿する ▼
西村康稔氏、石破首相の「戦後80年談話」に反対表明 「不要」「無用な混乱を招く」と明言
「戦後80年談話は不要」安倍70年談話で十分と主張
自民党の西村康稔元経済産業相は29日、石破茂首相による「戦後80年談話」の発出に反対する考えをSNSで表明した。「戦後70年の安倍談話で終止符は打たれている」「新たな談話は不要であり、無用な混乱を招く」と明言し、発出見送りを強く求めた。
西村氏は安倍晋三元首相が2015年に発表した「戦後70年談話」について、「有識者懇談会などを通じて丁寧にまとめられた国民的合意の談話」と評価し、国際社会や国民からも広く支持されたと強調。そのうえで、「談話の結びでは戦後80年、90年、100年に向けた国家の理想像まで語られており、追加の談話は不要だ」と論じた。
安倍派幹部が“石破談話”に警戒感
西村氏のこうした発信は、党内での路線対立を浮き彫りにするものとなった。特に旧安倍派の幹部たちは、石破首相の「談話政治」に対し強い警戒感を抱いており、西村氏は23日に萩生田光一氏、松野博一氏、世耕弘成氏らと会談し、「首相の交代が必要」との認識で一致したとされる。
旧安倍派は、外交・安保政策を中心に「歴史観」においても保守的立場を強調しており、石破氏が談話で過去の歴史認識や謝罪に再び踏み込むことに対して「国益を損ねる」との危機感を抱いている。
談話をめぐる議論、国民はどう見ているか
今回の西村氏の発言はSNSでも大きな反響を呼び、市民・有権者からは賛否の声が飛び交っている。
「70年談話で十分。また謝罪や曖昧な表現を繰り返すのはもうやめて」
「国際的にまた謝罪外交になるのでは?国益を損なう」
「そもそも派閥収支すら説明していない人が談話を語る資格あるの?」
「談話を出すなら、まずは自民党自身の不祥事に“談話”を出せ」
「80年という節目なら、未来志向の国家ビジョンを出してもいいはず」
安倍談話以降、歴史問題での謝罪や反省の表現に対する国民の受け止め方は多様化している。談話の是非をめぐる議論は、もはや外交カードというより、内政上の党内主導権争いや路線の象徴とも言える。
石破首相は沈黙、今後の判断に注目
一方、石破茂首相本人は現時点で「戦後80年談話」についての発出方針を正式に明らかにしていない。かつて自民党政調会長時代に「過去の歴史を直視しつつ未来を語る姿勢」を重視してきた石破氏だが、内閣支持率が伸び悩むなかで、歴史認識に踏み込むリスクも慎重に見極めているとみられる。
ただ、談話が発出されれば、その内容次第で政権の性格を大きく印象づける可能性があるだけに、今後の対応には一層の注目が集まる。