2025-10-14 コメント: 1件 ▼
中野洋昌国交相「政治とカネ一歩も引かない」も自民に感謝
中野国交相は閣議後記者会見で、公明党が2025年10月10日に自民党との連立政権から離脱する方針を示したことについて説明しました。 この発言は、公明党が自民党との連立を解消した理由が政治とカネ問題だけではない可能性を示しています。 一方で中野氏が感謝の言葉を重ねたことは、公明党が自民党との関係を完全に断ち切るつもりはないことを示しています。
中野洋昌氏は1978年生まれの47歳で、京都府京都市出身です。関西創価小学校、関西創価中学校・高等学校を経て2001年に東京大学教養学部を卒業後、国土交通省に入省しました。2006年にはアメリカ合衆国コロンビア大学国際公共政策大学院で修士号を取得しています。国土交通省では新潟県中越沖地震や東日本大震災の復興、非接触型アイシー乗車カードの企画・提案などに携わりました。
「政治とカネで一歩も引かないって言うけど、自民党に感謝してるなら矛盾してない?」
「斉藤代表も1億3000万円不記載なのに、よく政治とカネで批判できるよね」
「公明党も企業献金受けてたんだから、自民党批判する資格ないでしょ」
「国交相のポストは公明党の既得権益みたいなものだった」
「ドロ船から逃げ出しただけなのに、感謝とか白々しい」
連立離脱の理由は政治とカネ問題
中野国交相は閣議後記者会見で、公明党が2025年10月10日に自民党との連立政権から離脱する方針を示したことについて説明しました。中野氏は「自民党との協議を一任した斉藤代表の出した結論を受け止め、党として団結して進んでいく」と改めて述べました。
公明党が連立離脱を決断した最大の理由は、自民党の政治資金問題への対応です。公明党は自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受けて、企業・団体献金の抜本的な規制強化を求めていました。しかし自民党は企業献金の維持に固執し、両党の協議は平行線をたどりました。
企業献金は国民の為の政治ではなく企業の為の政治になる恐れがあるという批判は根強くあります。公明党はこの立場から自民党に規制強化を迫りましたが、自民党は応じませんでした。中野氏が「一歩も引くべきではない」と強調したのは、この点を譲らなかったという意味です。
しかし公明党自身も政治資金問題を抱えています。斉藤鉄夫代表は2020年から2022年にかけて複数の不記載問題が発覚しており、2021年には約1億3000万円もの資産不記載が明らかになりました。さらに全国宅地建物取引業政治連盟から寄付を受けていた事実もあり、団体献金を受け取っていたことになります。自民党を批判する一方で、自らの問題には「単純なミス」と釈明する姿勢は、ダブルスタンダードとの批判を免れません。
台風対応を理由に大臣職継続
中野国交相は自身の去就について「災害の対応もしており、やるべき仕事はやっていかなくてはならない」として、新政権の発足まで大臣職を続ける考えを示しました。2025年10月は台風シーズンで、国土交通省は災害対応に追われています。中野氏は「新内閣発足までの間、職務に励んでまいりたい」と述べました。
国土交通相のポストは第2次安倍晋三政権以降、公明党の「指定席」となってきました。2012年から2025年まで12年以上にわたり、公明党が国交相を務めてきました。これは連立政権における役割分担の一環で、自民党が総理大臣など主要ポストを担う一方、公明党は支持層に密接するポストを担当することで、連立のバランスを保ってきました。
国土交通省は道路、鉄道、空港、港湾などの公共インフラを管理し、交通政策の策定と実施を担う重要な省庁です。インフラ政策は日本全国の生活や経済に大きな影響を与えるため、政治的にも重要視されています。特に災害対策や地方創生など、地域住民の暮らしを支える施策が含まれており、公明党の政策理念とも一致します。
公明党にとって国交相ポストは、支持基盤である創価学会との関係でも重要です。公共事業や交通施策を通じて支持者の声を反映させることができ、選挙での集票にもつながります。このため公明党は連立離脱後も、国交相ポストを手放すことには慎重な姿勢を見せています。
自民党への感謝と今後の協力
中野国交相は自民党に対して「さまざまな政策をともに作り上げ、選挙も含めてお世話になった。心から感謝を申し上げたい」と述べました。さらに「今後も政策本位、人物本位で協力をしていくだろう」とも語り、完全に関係を断ち切るわけではないことを示唆しました。
この発言は、公明党が自民党との連立を解消した理由が政治とカネ問題だけではない可能性を示しています。2024年秋の衆院選で自民党が大敗し、2025年7月の参院選でも惨敗したことで、自民党はドロ船状態に陥っています。公明党がこのタイミングで連立を離脱したのは、沈みゆくドロ船から逃げ出すという側面もあるとの見方があります。
一方で中野氏が感謝の言葉を重ねたことは、公明党が自民党との関係を完全に断ち切るつもりはないことを示しています。連立は解消しても、個別の政策では協力する余地を残しておくという戦略です。公明党は衆参両院で少数派であり、単独では何もできません。自民党との関係を維持しながら、政策実現を図る必要があります。
首相指名選挙での対応は明言せず
注目される臨時国会での首相指名選挙をめぐる各党の協力について、中野国交相は「代表や幹事長が調整している。現段階で予断をもってコメントすることは控える」として回答を避けました。公明党が誰に投票するかは、今後の政局を左右する重要な要素です。
自民党の高市早苗総裁は衆院で196議席しか持たず、過半数の233議席に37議席も届いていません。公明党の24議席と合わせても220議席で、なお過半数に13議席足りません。公明党が自民党候補に投票しなければ、高市氏の首相指名は困難になります。
野党側は高市氏の首相指名を阻止する構えを見せています。立憲民主党は148議席、日本維新の会は35議席、国民民主党は27議席を持ち、これらが結束すれば自民党候補以外の首相が誕生する可能性があります。公明党がどちらに投票するかは、日本の政治の行方を決める分水嶺となります。
中野国交相が首相指名選挙での対応を明言しなかったことは、公明党が複数のシナリオを検討していることを示しています。自民党に協力するのか、野党連携に加わるのか、それとも独自候補を擁立するのか、選択肢は複数あります。臨時国会は10月中旬に召集される見通しで、それまでの政治駆け引きが注目されます。
中野国交相の発言は、公明党が政治とカネ問題で自民党を批判しながらも、完全に関係を断ち切るつもりはないという複雑な立場を反映しています。しかし斉藤代表自身が政治資金問題を抱えている以上、自民党批判の説得力は乏しいと言わざるを得ません。国民の為の政治を実現するためには、公明党もまず自らの問題に真摯に向き合う必要があります。ドロ船連立政権からの離脱を決断したのであれば、その理由を誠実に説明し、自らも襟を正すべきでしょう。