2025-06-10 コメント: 1件 ▼
国民民主・向山好一氏が通称使用の厳格化を要求 「同姓同名の立候補は民主主義を揺るがす」
向山好一氏「民主主義の根幹が揺らぐ」通称悪用に強い危機感
国民民主党の向山好一衆院議員が6月10日、衆議院総務委員会で選挙制度における通称使用の乱用について強い懸念を表明し、厳格な審査基準の導入を総務省に求めた。向山氏は「民主主義の根幹を揺るがしかねない事態が起こっている」と述べ、名前を使った“選挙妨害”ともとれる手法に対して、制度的な歯止めを訴えた。
この問題の背景には、今夏の参院選比例代表で国民民主党から出馬予定の山尾志桜里元衆院議員と“同じ名前”を名乗る男性が、政治団体「NHK党」から出馬を計画していたとされる件がある。立候補予定者が山尾氏と同じ通称「山尾しおり」で出馬しようとしたことが発端となり、総務委員会でも議論が紛糾した。
「ある立候補届け出者が同じ選挙区の候補者と同姓同名で、付け焼刃のように通称だと名乗っても、それは認められないということでいいか」
「村上誠一郎総務相と同じ名前のペンネーム『村上誠一郎』がいきなり登場して立候補したら、票が半分になる可能性もある。9人同じ名前で出れば10分の1になる。これは冗談では済まされない」
と、向山氏は具体的な例を交えて通称制度の危険性を強調。選挙制度に対する悪質な“抜け道”利用を、制度上の欠陥として明確に指摘した。
総務省「実績のない通称は認められない」と明言
これに対して答弁した総務省選挙部の笠置隆範選挙部長は、通称使用の認定について次のように説明した。
「候補者が提出する通称認定申請書には、広く通用していることを証するに足る資料が必要である」
「具体的には、公的機関の書類、新聞記事、著書、出版物などが該当する」
「使用実績のない状態で他の候補者や著名人の名前を冒用することは、通称として認められない」
この答弁を受け、向山氏は「制度の本来の趣旨を守るためにも、通称はもっと厳格に審査すべきだ」と重ねて強調し、今後の制度運用について明確なルールづくりを求めた。
“名前の冒用”に政治的モラルの問題も
向山氏の問題提起は、単なる制度上の議論にとどまらず、政治家としてのモラルや倫理に関わる問題でもある。本人と関係のない人物が、注目候補と同姓同名を名乗って出馬することで、票を割る・混乱させる・誤認を誘発する――こうした行為は、選挙制度の根幹である「有権者の自由な意思決定」を明確に損なう。
「名前の“便乗”で票をかすめ取るのは、有権者への侮辱だ」
「向山議員の指摘は正論。こういうグレーゾーンをしっかり塞がないといけない」
「選挙の自由を守るためにも、通称使用には歯止めが必要だと思う」
「候補者の“名前戦略”が混乱を招くなんて、本末転倒」
「通称って、本来は本人の活動実績に基づくものだよね。悪用は制度を壊す」
世論も、向山氏の訴えに理解を示す声が目立ち始めている。特に、知名度のある候補者と同姓同名を名乗ることで有利に立とうとする行為に対しては、厳しい視線が注がれている。
制度の自由と悪用防止、どう両立させるか
通称制度は、本名以外の活動名や旧姓を使って社会で認知されている人々の立候補の自由を担保する、重要な仕組みでもある。一方で、それが“選挙戦術”として利用された場合、制度そのものが信頼を失うことにもなりかねない。
向山氏の提起は、まさに「制度の自由」と「選挙の公正さ」のせめぎ合いに対する警鐘である。今後、総務省や選挙管理委員会がこの問題にどう対応するかが注目される。
山尾志桜里氏との“同姓同名立候補”を巡る一連の騒動は、単なる珍事件ではなく、選挙制度の抜け道をついた重大な懸念として、今後も国会で議論が続けられる可能性が高い。向山好一氏の問題提起が、制度改正の契機となるか、注目が集まっている。