2025-06-17 コメント投稿する ▼
堀川あきこ「京都の声を無視するな」北陸新幹線トンネル計画撤回を国会で迫る
堀川あきこ、「京都トンネル計画撤回を」市民と議会の声を国会で代弁
2025年6月17日、日本共産党の堀川あきこ衆院議員が衆議院国土交通委員会で、北陸新幹線の京都市内における「大深度地下トンネルルート」計画の中止・撤回を強く求めた。これは6日に京都市議会で可決された「反対決議」を受けたもので、市民や専門家、地元企業の懸念を背景に、計画そのものの見直しを国会の場で正式に提起した形だ。
京都市議会の反対決議が突きつけるもの
堀川氏が質したのは、京都市内における大深度地下トンネルのルートが、地下水への悪影響や残土処理、長期にわたる工事による交通渋滞、住民への説明不足など、極めて深刻な問題を抱えているという点だ。
京都市議会の決議では、「京都の未来に対し重大な問題を招く」として明確に「反対」を表明。これを重く受け止めるべきだというのが堀川氏の主張である。
「議会がここまで明確に反対を決めたのに、国が無視するなんて許されるのか」
「市民の生活がかかっている問題で、説明もなく工事を進めるなんて横暴」
「文化と自然の街・京都にふさわしくない乱開発だ」
「国交省はスピードばかり重視しすぎて、市民の声がまったく届いてない」
「これはもはや“新幹線のための新幹線”。誰のための事業なのか」
こうしたネット上の声にも表れているように、市民の間では「開業ありき」の国の姿勢に対する不満と不信感が膨らんでいる。
「200年の歴史」和菓子店の声を国政へ
堀川氏は、200年以上続く京都市内の老舗和菓子店から寄せられた声も紹介した。「地下水が変質すれば、伝統的な製法が続けられなくなる」という危機感を紹介し、「文化の継承に直結する問題」と訴えた。
さらに、政府が保有している地下水や地盤に関する全データの開示を求め、住民が納得するまで説明責任を果たすよう強く迫った。
これに対し、中野洋昌国土交通大臣は「京都府と相談する」との従来の姿勢を崩さず、計画の継続に向けた答弁を繰り返した。堀川氏は「まるで議会の決議を聞いていないかのような対応」と厳しく批判した。
「全線開業ありき」の姿勢に市民はNO
中野国交相は「一日も早い全線開業に向けて取り組む」と表明したが、これに対し堀川氏は「開業スケジュールを優先するあまり、市民の不安や議会の意思を無視している」と反論。さらに、「このままでは住民の不信が高まり、計画全体が破綻しかねない」と危機感を示した。
北陸新幹線の延伸は、インフラ整備という側面で国の成長戦略の一部と位置づけられているが、その裏で地域住民が不安と不満を募らせている現実は、無視できない。
特に、地下水や文化財といった京都特有の資産に直接的な影響を与えかねない計画には、「東京や大阪と同じ感覚で開発してはならない」という声が多い。
計画撤回を求める運動、広がるか
堀川氏の発言は、単なる党派的主張ではなく、議会で正式に可決された「反対決議」を国政に反映する試みとしても注目される。京都市議会の判断は、決して一部の運動団体によるものではなく、市民の声が積み重なって形成された「政治的意思」である。
国がこの声に背を向けたまま工事を進めれば、法的・社会的な対立はさらに深まるだろう。堀川氏は、「今求められているのは“推進ありき”ではなく、“立ち止まって考える政治”だ」と結んだ。
新幹線という巨大インフラがもたらすのは、便利さだけではない。住民の安心や、地域の文化、自然との共生があって初めて持続可能な開発といえる。今回の発言は、まさにそのことを改めて国に突きつけるものとなった。